2021年には継続してパンデミックとの闘いを中心に世界は動きます。
1)ジョージア州合衆国上院議員選挙決戦投票
年明け1/5にジョージア州で合衆国上院議員選挙決戦投票が二議席を巡って争われます*。現在上院の獲得議席数は、100議席中民主党48、共和党50で共和党は半数を獲得しています。ジョージア州で民主党が2議席を獲得するとタイとなり、名誉職とはいえ上院議長となるカマラ・ハリス副大統領予定者が51票目の決定票を持つこととなります。
〈*
Senate Election Results 2020 The New York Times〉
上院過半数は極めて重要で、上院過半数を野党に占められると大統領は出来ることが著しく限定されます。大統領選後の共和党の醜態を見ると、共和党には党利党略以外の何も期待できず、合衆国は次の議会選挙である2022中間選挙後までデッドロックに陥ります。勢力上は決選投票で民主1、共和1で上院勢力は民主49:51共和と予想されています。
一方でトランプ氏が大規模選挙集会で投票ボイコットを呼びかける、新型コロナ経済支援法への署名を拒否している(2020/12/26現在、その後12/28に署名した)など、共和党への自滅的逆風も強く、またジョージア州の人口動態が変化しており、民主党寄りの有権者が増えているという民主党への追い風もあります。
この
1/5は何が起きるか分かりません。
2)バイデン政権発足
2021/01/20正午にバイデン政権は発足します。再統合、融和、科学がバイデン政権の基軸になると思われます。これは反科学と分断、人種主義が基軸であるトランプ政権と正反対となります。新閣僚予定者も、人種・性別など多種多様で、マイノリティの躍進が目立ちますが、それでいて急進的な人事でもありません。
しかし
トランプ政権の残した負の遺産が極めて大きく、先は全く読めません。
3)衆議院総選挙
現在の衆議院の任期満了日は2021年10月21日です。一般的に逆風下で衆院は解散総選挙をせずに任期満了まで追い込まれると与党が壊滅的敗北をします。従って解散総選挙が急がれますが、菅氏は2020年10月冒頭解散、10月総選挙という唯一の絶好の政局を逃しました。これにより自公維菅政権は、命運が尽きかけていると言えます。これは安倍晋三氏と菅氏の決定的な格の違いによるものです。
コロナ禍の逆風において菅政権には解散総選挙を行う力は望めませんので、相当なラッキーパンチが無い限り、任期満了解散総選挙でしょう。
維新を除く野党全党の一致した迅速な選挙準備が求められます。
4)2020 Tokyo Game
東京オリンピックは、安倍晋三氏の強い意向で2021年7月に延期されましたが、2022年10月以降への再延期が無い限り開催不能です。これは2020年2月の時点で自明であった事です。そもそも選手選考が世界で進んでおらず再開不能です。また欧州全域、ロシア、北米南米全域、中東全域でオリンピックに選手を送ることが出来ません。更に、ミャンマー・中国・モンゴル以東の東部アジア・大洋州諸国が深刻なパンデミック汚染国である本邦に選手団を差し出す可能性は低いです。
2021年夏に開催したければ、
ファミコンとzoomでハイパーオリンピックをやれば良いのです。
5)パンデミックはどうなるか
本邦は、
世界唯一の厚生労働省発ジャパンオリジナル・国策エセ医療・エセ科学デマゴギーに立脚した反科学的パンデミック対策を行ってきており、東部アジア・大洋州諸国の一国として謎々効果の庇護下にありパンデミックの威力は本来米欧に比して1/100であるところ、合衆国比1/25まで悪化しています。
残念ながら、破滅的なパンデミックには至らぬまでも、パンデミックの制圧は本邦政府には不可能で、真綿で首を絞められる様に本邦市民はパンデミックによって締め上げられて行きます。
ワクチンは実用化しましたが、優先接種が3月と遅くなる可能性があり、しかも接種計画が今になっても全く見えません。米欧では4月から接種計画をどうするか、情報公開と詳細報道が成されてきたのに比して情けない限りです。
COVID-19ワクチンにはたとえ限定的であっても大きな効果が期待されますが、有害事象もわずか二週間でありえないほど多く報告されています。但し命を奪う、障害をのこすと言ったアクシデントは報告されておらず、現在は多数の重大インシデントに留まっています。これは透明性確保という点で高く評価されます。しかし、このまま見直し無しでは進められないでしょう。工学上、インシデント多発の先には重大事故が控えています。
ワクチン行政と「専門家」の信頼性と誠実さ・能力が極端に低い本邦において、拙速な大量ワクチン接種はベネフィットを遙かに圧倒するワクチン禍を「またまた」発生させ、国策エセ医療・エセ科学デマゴギーによって「またまた」被害者を弾圧する可能性もあります。
ワクチン行政の基本中の基本は、「信用」です。本邦にはそれが全くありません。皆無です。
筆者には、本邦において2021年にパンデミックが沈静化するか否かは全く分かりません。したがって2021年に本邦に何が起こるかは殆ど読めないと言えます。
パンデミックにおいて、国の施策が国策エセ医療・エセ科学デマゴギーに立脚したデタラメである以上、市民は個々人と最大限同居家族のみを守ることしか出来ません。読者各位の健闘と幸運を祈念します。
<文/牧田寛>
Twitter ID:
@BB45_Colorado
まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題について、そして2020年4月からは新型コロナウィルス・パンデミックについての
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