7)東京オリンピック延期
東京オリンピックは延期されました。
CNNやBBCなどの外信、外報では、3月初旬の時点でオリンピックの開催は当分不可能であるという報道が頻繁になされ、3/20以降は欧州、カナダなど主要国から選手派遣拒否=事実上のボイコットが表明されていました。
パンデミック渦中でオリンピック開催など、1918パンデミックにおける西部戦線並みの無謀な行為であり、SARS-CoV-2が韓国、欧州に広がった時点である2月から3月中旬で年内開催を断念するのが当然でした。
2020 Tokyo Gameは、安倍晋三氏の強い意向で2021年7月に延期*されたましたが、これは中止を決定したものと同義でした。歴史的にも現実からも今年3月時点でパンデミックが沈静化するのは2022年春であり、オリンピックの様な大規模国際運動大会を開催できるのは2022年秋以降です。
東京オリンピックは、本邦のパンデミック対策を大きく歪め、取り返しの付かない事態に追い込んでいますが、今後もパンデミック対策を歪め続け、本邦に破滅的な打撃を与え続けます。再延期はしないと宣言してしまった以上、東京オリンピックは中止の蓋然性が極めて高いです。
早くても2022北京冬季オリンピックがパンデミック克服を祝う大会になるでしょうが、これも開催不能ないし延期となる危険を内包しています。
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東京五輪・パラ、「1年程度」の延期決定 「東京2020」の名称は維持 2020/03/24 BBC〉
8)学術会議問題
学術会議の人事に対する菅首相による介入が発覚し、大きく報じられました*。これは日本学術会議法に違反しており無効です。本来は直ちに撤回ですが、既に四ヶ月も虚偽答弁を繰り返しています。菅内閣は内閣総辞職するほかないでしょう。
無能な政治業者がとち狂って首相などになった最初の失態がこれですが、失態続きで本邦は破滅寸前です。
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首相の学術会議介入 違憲・違法の核心つく/コロナ対策 焦眉の課題は/志位委員長の代表質問 衆院本会議 2020/10/30 赤旗〉
9)安倍首相またも「病気」退陣
安倍晋三氏は8月初旬より体調不良を訴え続け、遂に退陣しました。しかしその原因とされる病気については「診断書無し」、代替としての「主治医による証言無し」です。これは第一次安倍内閣崩壊時と全く同じです。
はっきりと指摘します。こういうのは国内外を問わず「仮病」「詐病」となります。
こどもが学校を病気で休むときでも医師の診断書ないし医師からのお手紙は必須です。一国の首相が「診断書」無しに二度も国政を放り出したことは「けびょう元宰相」以外の何者でもありません。
なお、「首相の健康は国家最高機密」という珍妙な主張が同時に跋扈しましたが、これは嘘です。独裁国家や専制君主国家では独裁者や専制君主の健康は国家機密となり得ます。しかし
民主制国家においては大統領であろうと首相であろうと権力は市民による信託によるものであって、服務不能となれば代理人事が機能します。そして、長年の紆余曲折を経て、
首相や大統領の健康は、最も透明性を確保せねばならないものとなっています。
この代表例が
1980年3月30日レーガン大統領暗殺未遂事件で、レーガン氏の状態に関する情報の透明性確保が不完全であったために無用の混乱と厳しい批判を招きました。結果、その後は透明性確保に力が注がれ、レーガン氏の手術はもちろん、”フットボール試合TV中継を愛犬のバーニー君と観賞しながらお菓子を喉に詰まらせ窒息し、気を失ってソファーから転げ落ち、弾みで息を吹き返した”「
ブッシュ大統領プレッツェル事件」でもお顔に怪我をしたブッシュ大統領の怪我の経緯について克明に説明されました。なお、夫人は別室で長電話中、唯一同室した愛犬のバーニー君は、ご主人の危機に何もしなかったことも情報公開されました。お菓子と馬鹿にする事なかれ、ヘタをすると当時世界最強の権力者が戦争前夜に急死していたかもしれないのです。
トランプ大統領が死にかけた10月は、透明性が低いと批判され、筆者もそう感じましたが、そうであっても診断書すら出さない、主治医は証言しないなど絶対に考えられない、天と地の差の透明性は確保されていました。
10)菅政権発足
仮病宰相が政権を放り出して逃げ出したあと、宮廷闘争の如き醜悪な総裁選を経て菅政権が発足しました。
安倍晋三氏の数々の疑惑・疑獄の共同正犯である菅氏が総裁になったことで、安倍・菅疑獄は継続しています。そして、元々無能ですが、政局へのカンだけは優れていた、故にコロナ禍においても学校閉鎖と緊急事態宣言、10万円配布(中小・自営業者支援も含む)という三つの功績を残し、オリンピックの延期も決断できた安倍氏に比して菅氏はそういった機微も備えていません。
筆者が菅政権に期待することは一つ、
腐敗しきった旧弊を衆目に晒らし、自滅することです。