海外在住だった筆者は4年前に活動拠点を日本へ移してから治験へ応募してきた。20回近く応募しただろうか、そのうち本治験へ進むことができたのは通院治験1回のみで、あとはすべて事前検査で落ちた。
治験は健康診断ではないので検査に落ちた理由は教えてくれないことが多い(治験実施する医療機関によっては個別に教えてくれるところもある)。原因が不明では改善しようがなくて困るのだが、著者の場合は、もともと脾臓が弱いことに加えて酒飲みなので肝臓、腎臓など内臓系の数値が悪い。ほぼすべての治験では事前査前24時間は飲酒禁止となっているので守って受けるも落ちまくった。
この話をかかりつけ医に話すと、たった1日酒を断ったくらいで内蔵数値が回復するのであれば医者は廃業だよと呆れられた。
ところが、11月末、
人生初入院治験へ合格を果たした。合格は変な表現だが初めて事前検査を突破して入院治験へ進むことができたのだ。
おそらく理由は私的な問題で8月上旬から節酒を始めこれまでの飲酒量の5分1くらいに減ったことが要因だと思われる。これまで休肝日なく毎日飲んでいたのが、1週間以上、一滴も酒を飲まなくても平気になった。まあ、この話は余談なので置いておくと、著者の場合は飲酒習慣が合格への障壁になっていたようだ。
どの治験説明会でも最後に必ず同意文章を交わす。写真は以前説明会に参加した時の同意書
コロナ禍ならではのことだが、入院前にこれも人生初となるPCR検査(唾液採取)を受け、無事陰性となった(陽性だったら別の意味で隔離されるところだったが)。PCR検査を無料で受けてさらには交通費として5000円をもらえる。これは結構嬉しい。
PCR検査直後、いよいよ人生初の治験入院が始まった。
2泊3日を2週にわたり2回という行程だ。部屋は6人部屋でカーテンで仕切る程度でプラバイシーはカプセルホテル以下。苦手な人は厳しかもしれない。
著者はちょっとだけ
バンコクの多国籍なゲストハウスをイメージしていたが、淡い空想だった。ここは日本、室内では3日間、
挨拶も含めて一言の会話なしの虚無空間で過ごす。
新型コロナ対策で
常時マスク着用、食事も各ベッドで食べ、
頻繁に指先の消毒を行い、
換気のため窓を開けているので寒い。