国民の声が追い詰めた安倍政権。文書改ざん、統計捏造、国会軽視の7年8か月を振り返る

改ざんされる統計、暴走する政権

2019年  ・1月 総務省から政府が政策を作るにあたって重要と考えている56の基礎的データのうち4割に誤りがあったと発表統計法違法に当たる可能性も。その後、一般統計232のうち、154で不適切な対応があったことも認める。 ・4月 新元号を令和に決定 ・4月 2019年版外務省外交青書から「北方4島は日本の領土」という文言が消える。 ・4月 桜田義孝五輪担当大臣が辞任。「東日本大震災の復興よりも大切なのは高橋議員だ」と東北ブロック選出の高橋比奈子衆院議員の政治資金パーティで発言。 ・5月 厚労省の毎月勤労統計で不正調査発覚2018年の実質賃金の大半は実際はマイナスだった。数値補正で賃金が実際よりも高いように発表されていた。 ・5月 スーパーシティ法が成立 まちづくりに先端技術活用 ・6月 G20大阪サミット開催 ・6月 年金2000万円問題。金融庁が作成した年金に関する報告書を麻生財務相が、政府のスタンスとして異なるので正式な報告書として受けとらないと発言、その後、政府としても正式決定。 ・7月 韓国への輸出規制強化策発令。両国関係が最悪に ・7月 参議院選挙(投票率48.8%) 与党勝利するも憲法改正発議に必要な3分の2には届かず ・10月 消費税10%に ・10月 菅原一秀経産大臣 公職選挙法違反の疑いで辞職 選挙区内で禁止されている寄付行為など ・10月 河井克行法務大臣 妻の不正選挙報道を受け辞職 ・11月 桜を見る会問題発覚。招待者の選定基準をめぐり後援会関係者が多数出席。税金で行われる会を私物化したのではないかとの疑惑。出席者名簿は野党の要求の直後にシュレダーで廃棄。さらに安倍首相の政治資金規正法や公職選挙法違反の疑いが浮上。

桜を見る会からコロナへ。そして辞任

2020年 ・1月 黒川弘務東京高検検事長、定年延長問題 ・3月 東京五輪・パラリンピックの1年延期決定 ・4月 新型コロナウィルス感染拡大で緊急事態宣言発令 ・5月 検察庁法改正案断念。黒川東京高検検事長賭け麻雀発覚で辞任。 ・6月 河合克行前法務大臣・河合案里参議院議員逮捕 ・6月 イージスショアの計画撤回 ・8月28日 安倍首相辞任表明。憲政史上最長の連続在籍日数を記録した4日後だった。 <文/佐藤治彦>
さとうはるひこ●経済評論家、ジャーナリスト。1961年、東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業、東京大学社会情報研究所教育部修了。JPモルガン、チェースマンハッタン銀行ではデリバティブを担当。その後、企業コンサルタント、放送作家などを経て現職。著書に『年収300万~700万円 普通の人がケチらず貯まるお金の話』(扶桑社新書)、『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』 (扶桑社文庫・扶桑社新書)、『しあわせとお金の距離について』(晶文社)『お金が増える不思議なお金の話ーケチらないで暮らすと、なぜか豊かになる20のこと』(方丈社)『日経新聞を「早読み」する技術』 (PHPビジネス新書)『使い捨て店長』(洋泉社新書)
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