ブラック企業仕草がにじみ出ている最大の事例が、例の、
「分党」なる言葉を喜んでしまう姿勢です。
玉木代表が提唱する「分党方式」がいかなるものであるかは、玉木代表ご自身が
ご自身のブログで解説しておられます。
ごらんの通り、玉木代表は「分党」なるスキームを自分で説明する必要があるのは、”
報道等で「分党」や「解党」という言葉が入り乱れてわかりにくい”ためだと前置きします。
……「分党」なんて言葉は、玉木代表以外お使いになっていないので、「入り乱れてわかりにくい」もなにも、ご自分がこんなケッタイなことをおっしゃらなければ入り乱れずに済む話だと思うんですが、まあ、それはさておきます。菩薩心。菩薩心。弱い人には優しくしないとね。
それはさておき、この文章を読むと、玉木さんも、「いずれにせよ、国民民主党は一回、解党しなければいけない」というご認識をおもちのようです。
たとえばこの記述。
”国民民主党の衆院議員のうち、比例復活で当選した議員は、2017年衆院選で希望の党の比例票によって議席を得ており、いったん国民民主党を解散しないと、そのままでは立憲民主党に入党することが法律上できないからです。”
この記述からも、「解党しなければいけない」との認識をお持ちであるご様子は窺えます。玉木さんが仰るように、比例選出の議員は、自分の名前を投票用紙に書いてもらって当選したわけではなく、党の名前を書いてもらって当選しているわけですから、好き勝手に党を動くわけにはいきません。比例選出の議員が移籍するためには、所属元の政党が消えてなくなる必要があります。
しかし、上記引用した玉木さんの記述は、
2点、きわめて大きな間違い、しかも不誠実な間違いを犯してしまっています。
まず一点目。この玉木さんの記述は、基本的に「
嘘っぱち」です。しかも自分がこれまで何を主張してきたかを奇麗に棚にあげる類いの「
嘘っぱち」です。
玉木さんは、この記述の中で「
立憲民主党に入党」という言葉を使っておられます。しかし、こんなこと
誰も想定も予定も希望もしていません。事実、そんなことは、国民民主の合流派からも立憲民主党側からも、今は提案されていないのですから。
今、国民民主合流派と立憲民主が提案しているのは「
立憲 国民、両方とも解党し、その後、新党を結成し、その新党に来たい人は来る」というスキームです。それ以上でもそれ以下でもありません。
「
国民民主・立憲民主の双方が解党し、その後、新党を作り、再結集」などという面倒くさいスキームを、国民民主合流派と立憲民主が提案するには理由があります。
両党の合流話がスタートしたのは、昨年のこと。しかも玉木さんからの依頼でした。「大きな塊が必要だ。旧民主党勢力が分かれているのはおかしい。いま立憲民主は野党第一党だ、だから立憲が、旧民主党勢力の小さい方である国民民主を吸収合併してくれ」という提案を、玉木さんの方から枝野さんにされたのが最初です。この方式を提案していたころの玉木さんは正論をおっしゃっていました。この方式だと、比例の議員も動けます。「党が丸ごと吸収される」わけですから。
しかし立憲の枝野代表はこれを拒否しました「永田町の合従連衡に興味はない」という理由で。いや、枝野さんのこの主張、今考え直しても、全然理解出来ません。というか、気持ち悪いです。当時、「
枝野、かっこつけて、何言ってんだろ?バカじゃねーの。玉木のいうこと聞いてやれよ」と
立憲民主党の枝野代表のヒロイズムに、反吐を吐くほどの嫌悪感を覚えた記憶がありありと残っています。
その後、国民民主党側で、「早期合流実現のための署名活動」などがはじまり、昨年年末には再び合流機運が高まります。立憲民主党の枝野代表がかっこをつけて「丸ごと吸収案」を拒否したため、他の方式を考えねばなりません。
枝野さんのええかっこしいに振り回された各位のご苦労たるや、想像するだけでも涙が出そうです。
そこで考え出されたのが、「
完全解党方式」です。野党第一党である立憲民主と、支持率1%政党・国民民主では、議席数に大きな差があるけれども、枝野さんが吸収合併を拒絶する以上、「来たい人は来る」というテイで合併を進めるしかありません。比例選出の議員もふくめて「自分の意思で移籍先を選択した」という状態を作らなければならないのです。そのためには、「国民民主も立憲民主もいったん解党」をし、比例の議員をいったん自由にしてあげる必要があるのです。これだと、「議員個人の自由」が尊重され、また、枝野さんがヒロイズムに酔いしれて拒絶する「合従連衡」とも違う話になりますしね。だからこそ、この「解党方式」は、両党で合意されたのです。
「立憲も国民も解党」する以上、玉木さんのいう「立憲民主党に入党」なんてことはあろうはずがありません。
玉木さんなんでこんな大事なところで、嘘をつくんでしょう?
自分の主張を補強するために事実にないことを主張し出すのは、ダメな企業経営者がよくやる手法です。本当に情けない。