かつて「希望の党」の2代目代表だった玉木雄一郎・国民民主党代表
国政について聞いたのは、小池知事が2017年の総選挙で設立して代表となった「希望の党」の、2代目代表だった玉木雄一郎・国民民主党代表が今年8月11日に分党を表明。
国民民主党と立憲民主党の合併には参加せず、“玉木新党”を立ち上げることを表明していたからだ。
しかも、小池知事は再選直後に国政転身を否定していない(
『仮面』参照)。さらには、2017年の民進党解体・希望の党の合流時に
“リベラル派排除(公認拒否)”を小池知事とともに進めた前原誠司・元民進党代表も、玉木新党に参加する見通しだった(15日に参加表明)。
“小池知事シンパ”たちが加わる玉木新党もまた、小池知事の国政復帰の拠点となる可能性があるのは明らかだった。
しかし分党表明から3日後の8月14日の都知事会見では、質問者が2名だったこともあって、玉木新党関連の質問はゼロ。そこで退庁時の囲み取材で上記のように再質問をしようとしたのだが、ここでも小池知事は何も答えなかったのだ。
徹底的な“記者排除”とお気に入り記者厚遇で作り出す“虚像”
希望の党は、小池知事の「排除」発言をきっかけに崩壊していった
その2日前の8月12日には元外務大臣の岡田克也・民進党元代表が、記者懇談会2017年総選挙の際の民進党解体・希望の党合流を振り返ったうえでこう述べていた。
「『早く元(の一つの政党)に戻さないと』と言ってから3年近くかかった。それだけ、排除をした側とされた側の確執が簡単には癒されなかったということだ」
排除した小池知事(当時は希望代表)からは、3年目の節目を迎えることになった今もなお、
旧民進党議員を結果的にだますことになったことへの反省や謝罪、あるいは後悔といった言葉が発せられることはない。敵視する記者を徹底的に排除(選別)することで、自分にとって都合の悪いことについてコメントするのを避けているともいえる。
徹底した“記者排除”で不都合な真実を覆い隠し、虚飾で塗り固めた「仮面」を前面に押し出すのが、小池知事のメディアコントロール術。手をあげる記者全員を指し、1~2時間に及ぶ会見を行う吉村洋文・大阪府知事や松井一郎・大阪市長とは、記者への対応という点では雲泥の差だ。“お気に入り記者”が作り出す虚像だけではなく、仮面の奥の実像(素顔)も直視していく必要があるのではないか。
<文・写真/横田一>