安倍政権のゴリ押し「GoToキャンペーン」で窮地に立たされる沖縄。感染拡大止まらず

この期に及んで沖縄を貶めようとする官房長官とネトウヨ議員

 沖縄県では今、「GoToトラベルキャンペーン」という政府が「今実施するか!?」という多くの人の意見も無視して進めた愚かなキャンペーンのせいで新型コロナウイルスの感染者が急増したため、受け入れ可能な病床が埋まり、医師や看護師が不足している状況です。本来であれば、こうした事態に備え、県がホテルを借り上げて無症状や症状の軽い人たちを隔離するようなことをするべきなのですが、実は、沖縄県ではホテルの借り上げが全然進んでいません。これについて、菅義偉官房長官は記者会見で「沖縄県には何度もホテルを確保するように促した」と、沖縄県がろくすっぽ対応できていなかったような発言しました。  これを受け、日頃からネトウヨをこじらせているような無能で愚かな議員たちが、ここぞとばかりに「玉城デニー知事が仕事をしていないんだ!」と大騒ぎしているのですが、そもそもどうして県がホテルの確保をできないのでしょうか。理由はとってもシンプル。政府が強引に進めた「GoToトラベル」のせいでホテルの予約が埋まっていて、ホテルに空いている部屋がないからです。  沖縄県が対策を取ろうにも、政府のゴリ押しした政策に阻まれて対策ができない状態に陥っているのです。そもそも国民の反対を押し切ってキャンペーンをしなければ、こんなに酷いことにはなっていないのではないでしょうか。

安倍政権は逃げ回り、官僚は野党に追求され無能さを曝け出す

 8月4日に行われた「第12回・感染実態解明合同ヒアリング」では、医療が限界を迎えている沖縄の状況について、官僚に質問が飛びました。これを推し進めているのは安倍政権なので、本来であれば、国会で話し合うべきことなのかもしれませんが、野党が憲法53条に基づいて国会を開くように求めても、憲法には罰則がないので、安倍政権は憲法違反を承知で国会を開いていません。  今、この状態で国会なんて開いてしまったら、アベノマスクやGoToトラベルキャンペーンについて、野党から追及されまくったあげく大炎上し、ますます支持率が低下するのは目に見えています。だから、ほとぼりが冷めるまで国会を開くつもりはなく、どうしても野党と官僚の話し合いということになってしまいます。噂によれば、秋の臨時国会もギリギリまで開かないつもりらしいので、今年の秋には衆議院を解散させるのではないかと言われていましたが、このままだと解散のタイミングを失い、来年のオリンピックもできず、まともな経済政策も打てないとあれば、来年の秋にやることになって、自民党が歴史的な大敗をする可能性もあります。  自民党の皆さんも、選挙で大敗するのだけは避けたいはずなので、今こそまともな新型コロナウイルス対策をしてほしいのですが、それをサポートする官僚の皆さんも仕事はできていません。例えば、国交省や厚労省は、沖縄のホテルの予約状況がどうなっているのかを把握しておらず、ホテルを予約している人のうち、どれだけの人が「GoToトラベル」のキャンペーンを利用しているのかも把握していません。もしキャンペーンを利用している人が少ないのであれば、これがキャンペーンの墓穴であるとは言い切れないし、逆にキャンペーンを利用している人が多いのだとすれば、それはただちに中止した方が良いということになります。  しかし、官僚の皆さんが動いている気配はありません。日本の官僚は優秀だと思われていたけれど、もしかすると現代の日本においては幻想なのかもしれません。優秀な人たちもいるのかもしれないけれど、そういう人たちの能力はちっとも発揮されていません。例えば、「GoToトラベル」を取り仕切る観光庁は、石垣島のどのホテルで陽性者が出てしまったのかを把握していません。自分たちの事業が世の中にとってマイナスになっているかどうかを検証しようという気はないし、これを調べるのはあくまで厚生労働省だと思っているのです。厚生労働省の管轄に足を踏み込むつもりはないし、厚生労働省に調べてもらおうというつもりもない。昔から「縦割り行政」が問題になっていますが、それは今も解消されていません。  しかし、これは一刻を争うことなのです。こうしている今も感染は拡大するばかりで、指数関数的な拡大を見せることを考えると、今すぐに対策を打つのと1週間後や2週間後に対策を打つのでは、結果が全然違います。今年は子供たちの夏休みも短く、旅行のハイシーズンは限定的です。今、このタイミングで手を打てば、キャンセル料も少なくて済むかもしれないし、圧倒的に感染を防ぐことができるかもしれない。被害が大きくなる前にキャンペーンをやめるべきではないかと野党は追及しているのですが、親分が安倍政権の観光庁は中止にするつもりがありません。
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「対岸の火事」でいられなくなる日が来る
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