東大金融研究会随一の頭脳とゴールドマン・サックス出身コラムニストが考えるコロナ後の世界

ボラティリティの上昇を伴う投資効率の低下に要注意

開催中止も囁かれる東京五輪。

開催中止も囁かれる東京五輪。新たに建設される競技場の建設費用だけでも1800億円超といわれており、中止となればその影響は計り知れない

――危ういといえば、来夏に東京オリンピック・パラリンピックも本当に開催できるのか疑問符がつきそうですね。 石川 北半球、特に先進諸国の経済が再生しているのを前提として、全世界的に感染が収束していることが求められますからね。ところが現実には、これから冬を迎える南半球の国々で、感染がさらに拡大する可能性も考えられます。特に衛生面や医療体制面に不安を抱えた新興国も多く、南アフリカ共和国やブラジルなど、すでに深刻化している国もあります。 大空 情勢抜きに個人的感情で言えば、ぜひ開催してほしいところですけどね。 石川 ホントにそうです! 僕も観戦チケットを買っていますから(笑)。それに、オリンピックに向けて設備投資を行ってきた企業にとっては、回収の目途を断たれるわけで、マイナスとなるでしょうね。特にビジネスホテルは、明らかに供給過剰ですし。 ――マイナス要因が多い環境下で、個人投資家はどのようなスタンスで株式市場と向き合うべきでしょうか? 大空 金融緩和で市場にカネは溢れていますが、冷静でいなければなりません。というのも、新型コロナの感染拡大以降、ボラティリティ(変動率)が高くなっているからです。ボラティリティが高いというのは、株価が乱高下する可能性があるということ。つまり先が読みづらくなっているため、リスクに対するリターンが得づらく、投資効率(シャープ・レシオ)が下がっていると言えます。 石川 個別に見れば、先にも挙げたように新型コロナが社会に及ぼしたポジティブな側面もあると思います。企業は否応なくテレワークを導入することになりましたし、行政の手続きも迅速化されています。ただ経済全体が抱えるリスクの多さを考えると、そこが投資のチャンスとも言い切れませんね。 大空 相場のなかにいるとどうしても勝負をしたくなるものですが、「休むも相場」という相場の格言があるように、大統領選を通過するまで様子見のスタンスで臨むのも一考です。 石川 社会の動きがそれなりに読めたとしても、必ずしも株価がそれにすべてリンクするとは限りませんしね。何より自分の立場で考えると、大空さんをはじめとする第一線のプロでも読むのが難しい局面で、僕が正確な判断を下せる自信はないです(笑)。 大空 徹底的にリスクを減らす、避けることこそが、投資で勝ち続けるのにもっとも重要な要素ですから。 <アフターコロナの世界を生き抜く3か条> ・コロナ発生前の経済にはもう戻らないと悟り、社会の変化を注視! ・経済が元通りにならずとも、DXや5Gなどの伸びる分野に注目! ・再び米中関係悪化のリスクもあり、米大統領選まで慎重なスタンスで!
【大空翔 】●元ゴールドマン・サックス

【大空翔 】●元ゴールドマン・サックス

【大空翔 】●元ゴールドマン・サックス 元ゴールドマン・サックスの敏腕金融コラムニスト。政財界を含む幅広い分野に独自のパイプを持つ。ツイッター@ozorakakeruとnoteでも情報を発信中
【石川憧】●東大金融研究会

【石川憧】●東大金融研究会

【石川憧】●東大金融研究会 現役東大生。エリートが集う東大金融研究会のなかでも、大空氏が「最も優秀」と絶賛する逸材。そんな彼に記者が直近の目標を尋ねると、「かわいい彼女が欲しいです」とのこと <取材・文/大西洋平 写真/PhotoAC 図版/大場君人>
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