コロナ禍の中、安倍政権が火事場泥棒的に進めた「種苗法改正」。今国会は見送りが決まったが、もし通れば日本の食と農業が壊滅する<山田正彦氏>

コロナ打撃の農家に追い打ちをかける安倍政権

―― 農家がコロナ危機の打撃をうけている中で、安倍政権は農業の根幹を破壊する法案を通そうとしている。 山田:コロナ危機のドサクサ紛れに短時間で強行採決に持ち込む。検察庁法改正案と同様、火事場泥棒の手口です。  しかし、対抗手段はあります。種子法廃止の際は全国62の地方議会が意見書を提出・採択し、その後は各自治体が種子法に代わる「種子条例」を次々と制定して、公的機関が公共のタネを守る体制を存続させることができました。  それと同じように、たとえ種苗法改正が阻止できなかったとしても、全国で「種苗条例」を制定すればいい。それによって公共品種の売却を制限したり、自治体が権利をもつタネについては従来通り自家採種の自由を認めることができます。広島県のジーンバンクのように、各県にある多様な在来品種を発掘調査・保存管理するのも大切です。  すでに10ほどの地方議会が種苗法改正に対する意見書を提出していますが、その背景にあるのは国民の声です。今回も国民が声を上げることで、状況は変えられると信じています。 (5月1日インタビュー、聞き手・構成 杉原悠人) <文/月刊日本6月号より>
げっかんにっぽん●Twitter ID=@GekkanNippon。「日本の自立と再生を目指す、闘う言論誌」を標榜する保守系オピニオン誌。「左右」という偏狭な枠組みに囚われない硬派な論調とスタンスで知られる。
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月刊日本2020年6月号

【特集1】日本は「身分社会」になった
法政大学教授・水野和夫
評論家・佐高 信
帝京大学教授・小山俊樹

【特集2】新・「空気」の研究―コロナが暴いた日本の病理
著述家・物江 潤
ラッパー・Kダブシャイン
著述家・菅野 完

【特集3】検察庁法改正―これで国が壊れる!
衆議院議員・山尾志桜里
ノンフィクションライター・森 功