カフェの業態は「街の性格を映す鏡」!?――山手線に誕生した「2つの新業態カフェ」その違いとは
この3月、山手線に2つのニュースポットが相次いで誕生した。1つは約50年ぶりの新駅となった「高輪ゲートウェイ駅」、そしてもう1つが、約100年ぶりに新駅舎となった「原宿駅」だ。
実は、この2駅の駅舎内には、お馴染みのカフェチェーンによる「新業態店舗」が出店している。その2つの個性的な業態は、いずれも新駅周辺の「街の変化」が生んだものだった。
最初に紹介するのはスターバックスコーヒーの新業態となる「スターバックスコーヒー高輪ゲートウェイ駅店」。
この新店舗がターゲットとしたのは「おひとり様」「ビジネスマン」だ。
高輪ゲートウェイ駅店とスタバ従来店との大きな違いは、同社で初となるビジネス利用にフォーカスした空間「スマートラウンジ(SMART LOUNGE)」、そして完全個室のオフィスブース「ステーションブース(STATION BOOTH)」が導入されるなど、ビジネスマンに特化した業態となっていることだ。
そのうち、スマートラウンジは「店内で集中して仕事や作業などを行いたい!」というニーズに応えるもので、仕事の打ち合わせなどに便利な大テーブルと、1人でも気軽に利用できる区切られた6席の半個室席を設置。さらに、店内にはJR東日本が展開する有料の小型カプセル型シェアオフィス「ステーションブース(STATION BOOTH)」も2台設置されている。こうしたシェアオフィスがスタバ内に設置されるのも日本初のこと。カプセルに籠ってコーヒーを飲みながら仕事を行えば「デキるビジネスマン」…の気分になれるかも知れない。
営業時間はスタバ、「スマートラウンジ」、「ステーションブース」ともに午前7時から午後10時までとなる。店内には改札外からのみしか入ることができないためご注意を。(階下の無人コンビニ「TOUCH TO GO」は改札内からのみしか入ることができない)
もちろん、これまでのスタバと同様の一般席も設けられており、一部座席では電源も設置されるほか、モバイルバッテリーの貸し出しなどもおこなわれる。
さて、それでは何故スタバがまだ乗降客が少ない新駅に「ビジネスマン特化の新業態」を出店したのか――その答えはもちろん、東京の南の玄関口、そして国際的ビジネス拠点となることをめざして建設が進められている「グローバルゲートウェイ品川」(2024年度全面完成予定)の存在だ。
スタバが「ビジネスマン特化業態」の店舗を出店したのは、もちろん「この駅の、そしてこの街の将来の姿」を見据えてのことであろうし、グローバルゲートウェイが順次完成していき、客が増えていくまでの期間にそうした「ビジネスマン特化業態のノウハウ」をゆっくりと蓄積していきたいという考えもあるからだろう。
なお、現在「ステーションブース」は新宿駅、品川駅などの駅構内や駅ビル内に導入されているが、JR東日本は2020年度末までにこのブースを30ヶ所ほどにまで増やす計画を発表しており、今後は高輪ゲートウェイ駅のみならず各地の「駅ナカスタバ」に登場する可能性もある。
近い将来、都内では「スタバのカプセルに籠って仕事する」というスタイルが定着する日が来るのだろうか。
デキるビジネスマンは「スタバのカプセルに籠って仕事漬け」?!
スタバ新業態、理由は「グローバルゲートウェイ品川」の存在
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