「なぜゲートウェイ?」の答えがここに!――経済効果1兆円以上の「グローバルゲートウェイ開発」の全貌とは
3月14日のダイヤ改正に合わせて開業した「高輪ゲートウェイ駅」。
その賛否両論を呼んだ個性的な駅名や建築は大きな話題を呼んでいるが、もちろん開発はこれで終わった訳ではなく「高輪ゲートウェイ」の由来となったJR東日本による品川再開発プロジェクト「グローバルゲートウェイ品川」はまだ始まったばかりだ。
東京の新たな玄関口――「ゲートウェイ」を目指した再開発。その開発内容を見ていくと、JR東日本が「賛否を呼んだ新駅名」に懸けた思いが見えてくる。
「高輪ゲートウェイ駅」、そして「グローバルゲートウェイ品川」(以下、グローバルゲートウェイ)が建設されるのは、山手線田町-品川間にあるJR東日本の車両基地「東京総合車両センター田町センター(旧・田町車両センター)」の一部とその周辺エリアだ。この区間は新橋―横浜間に敷かれた「日本初の鉄道路線」に端を発する線であり、東京総合車両センター田町センターは明治時代に誕生した品川電車庫を起源に持つ歴史ある車両基地。工事は車両基地を縮小した場所で行われており、昨年11月16日にはJR発足以来初となる「山手線の運休」を伴う線路移設工事が実施されるなど、着々と工事が進められてきた。
グローバルゲートウェイを含む「品川開発プロジェクト(第I期)」は国家戦略特別区域の特定事業に認定されているもので、敷地面積は約7.2万㎢。
JR東日本は「世界につながり、地域をつなぐ、エキマチ一体の都市基盤形成」、「国際ビジネス交流拠点にふさわしい多様な都市機能の導入」、「防災対応力強化とC40(東京都も参加する世界大都市気候先導グループ)が掲げる先導的な環境都市づくり」の3つを開発方針に掲げており、いよいよ2020年度から建物本体の本格着工に入ることになる。
グローバルゲートウェイは機能が異なる4つの街区に分かれている。
ここからは、それぞれの街区を詳しくみていこう。
4つの街区のなかで最も北にあたる「1街区」は再開発地区で最も高い地上45階・地下3階・塔屋2階建て。最高層部の高さは約173メートルで、4つの街区で最も高いものとなる。この1街区にはマンション(806戸)やインターナショナルスクールなどが入居。マンションは、世界各国の人々がこの街を選んで居住するような「国際水準の居住施設」を目指すとしている。
1街区の南にある「2街区」は地上6階・地下4階・塔屋1階建て。4街区のなかでは最も小さな建物となるが、「文化創造施設」として多目的文化ホール(1,000席・最大2000人規模を計画)やレストラン街などが入居するほか、居住者、来街者の憩いの場となる広場も設けられる。
京急・都営浅草線泉岳寺駅に近い場所に設けられる「3街区」は地上31階・地下5階・塔屋1階建てで、主にオフィスと商業施設になるほか、泉岳寺駅との連絡口も設けられる。また、地下部分には近隣にある芝浦水再生センターの下水熱を活用した地域冷暖房施設(セントラルヒーティングシステム)が設置される。
ちなみに、この3街区の近くにはかつて江戸の入口だった「高輪大木戸跡」がある。つまり、江戸時代にはこの地が「江戸のゲートウェイ」であった。
100年以上の歴史を持つ車両基地から「ゲートウェイ」へ
「国際水準」を掲げるホテルや「巨大駅前広場」などを整備
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