チェコで「リハビリ業界の父」と呼ばれた
ヴラディミア・ヤンダ博士(Vladimir Janda 1928-2002)に由来する
ヤンダ・シットアップなる腹筋運動があります。パベルがヤンダ・シットアップ専用の器具を制作・販売したことありますが、実は
座布団1枚あればできる運動です。
普通の
シットアップを行うと
腹筋群と同時に腸腰筋を動員した腹筋運動になります。これがどういう弊害になるか、本来、腸腰筋は伸ばすべき筋肉なのですがシットアップでは収縮してしまいます。
腸腰筋の収縮は慢性的な腰痛に繋がるので、
腹筋を鍛えたい場合は腸腰筋の動員することなく腹筋群を収縮させるのがいいのです。それを可能にするのがヤンダ・シットアップの醍醐味です。
ヤンダ・シットアップ
写真のように
ふくらはぎと太腿の間に座布団、フォームローラー等柔らかいものを挟んでこれを潰すかのように圧迫させます。
ふくらはぎが収縮することで腸腰筋を収縮させる作用がなくなるので
純粋に腹筋群だけが動員されます。すると起き上がるにも一苦労になります。腹筋の力で起き上がれる人は相当な筋力の持ち主のはずです。
行けるところまで起き上がるのがポイントです。
人間の基本動作を改善するのに、
赤ちゃんのよちよち歩きや動物の四つ足歩行に回帰する考えが昨今国内外トレーニング手法で見られます。私もこの運動を指導で取り入れることあります。その中でも
脚を動的に振りながら着座する運動は回数繰り返すと
有酸素要素と基本動作改善の効果が見られるでしょう。もし自宅や旅先でトレーニング器具がない場合はこれを行ってください。
手足を地面について、片足(写真の場合右足)を振り上げる
振り上げた足を両手と地につけている方の足(写真では左足)でできた三角形の間を通すように下ろして着座する
この「スコーピオン(サソリ)からの着座」を行なうと、肩から足まで程よい負荷がかかります。
腕立て伏せや懸垂ほどの辛さがないのと比較的安全にできるところがポイントです。