新聞各社の新型コロナウイルスのグラフを比較してみた

NHKやロイターも特設サイトを設置

◆NHK
NHK

NHK

 NHKのWebサイト『NHK NEWS WEB』でも『特設サイト 新型コロナウイルス 感染者数やNHK最新ニュース』という特設ページが用意されている。こちらでは、情報やニュースとともに、最新の情報やグラフが掲載されている。  記事執筆時点での情報は、「街の人出は減っているか? 各地のデータ」「日本国内の感染者数(NHKまとめ)(1日ごと、累計)」「日本国内の感染者数(NHKまとめ)」となっている。グラフは感染者数のみで、あとは表になっている。  テレビのニュースに付随した情報ということで、経時的な情報ではなく、速報的な情報に重きが置かれていることが分かる。 ◆ロイター
ロイター

ロイター

 ロイター日本語版にも『地図とグラフでみる新型コロナウイルスの感染者数』というビジュアル化されたページが用意されている。  こちらの情報は「感染者数の世界地図」「世界の感染者数(累計、日別)」「累計死者数」と並んでいる。特徴的なのは、非常に多くの国での死者情報がまとまっていることだ。米国、スペイン、イタリアといった、新型コロナウイルスのニュースでよく見る国もあれば、ニカラグア、バチカン市国、モーリタニアといった、死亡者数が少ない国や、ゼロの国まで掲載されている。そしてそれらが、感染者数順にソートされている。また、欧州、北米、中東のような地域別でも確認できる。  世界の国々の様子を細かく見るには、ロイターのグラフは有用だ。

厚労省や自治体のコロナ情報サイトは?

◆厚生労働省
厚労省

厚労省

 厚生労働省も『新型コロナウイルス感染症について』というページで情報発信をしている。こちらでは、最新の情報をPDF等でダウンロードできるだけでなく、国内の発生状況についてまとめている。  こちらの情報は「PCR検査陽性者数」「PCR検査陽性時の有症状・無症状の別」「入退院等の状況」「入退院の状況」が表でまとめられている。速報的な内容で、時系列でグラフ化されているわけではない。変化の状態を把握したい場合は、情報をグラフ化した他のサイトを見るか、自分で数字を入力してグラフを作る必要があるだろう。 ◆新型コロナウイルス感染症対策サイト
東京都

東京都

 東京都公式の『都内の最新感染動向 | 東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト』は、東京都の新型コロナウイルスの最新情報を確認するためのものだ。  こちらの情報は「検査陽性者の状況」「陽性患者数」「陽性患者の属性」「陽性患者数(区市町村別)」「検査実施状況」「検査実施人数」「検査実施件数」「新型コロナコールセンター相談件数」「新型コロナ受診相談窓口相談件数」「都営地下鉄の利用者数の推移」「都庁来庁者数の推移」と、非常に細かい数字までがグラフ化されている。  新聞系のサイトが大枠を把握するための情報だとすれば、こちらは東京都の住民が詳細を確かめるためのものだと言える。  『東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト』のソースコードは、「MITライセンス」という再利用しやすいライセンスで公開されており、誰でも自由に利用できる。そのため、『県内の最新感染動向 | 神奈川県 新型コロナウイルス感染症対策サイト』のように、他の地域の情報についてのサイトが派生的に作られたりしている。 ◆COVID-19 Japan – 新型コロナウイルス対策ダッシュボード
COVID-19 Japan – 新型コロナウイルス対策ダッシュボード

COVID-19 Japan – 新型コロナウイルス対策ダッシュボード

 もうひとつ有用なページを紹介しておく。『COVID-19 Japan – 新型コロナウイルス対策ダッシュボード #StopCOVID19JP』では、都道府県の「現在患者数 / 対策病床数」の情報を表示している。病床数が逼迫している都道府県は、だんだん赤になり、最後は黒くなる。国や地方自治体が、対策病床数を増やした場合の情報も反映される。  このサイトを毎日見ているのだが、患者数が対策病床数を超えて黒くなる地域が徐々に増えている。少し前は東京都ぐらいしか黒くなかったが、今では多くの都道府県が黒くなっている。国や地方自治体の後方支援が足りていない様子が見てとれる。マスクなども含めて、速やかな支援が必要なことが分かる。
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情報のグラフ化の差異
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