令和の「ナンパ」は男性側の参入障壁が下がった?「ナンパ市場」の現状<アラサー独女の婚活・恋活市場調査6>

令和「ナンパ天国」は銀座から恵比寿に

 こうした背景もあり、2015年くらいから東京に「ナンパ天国」のような場所ができ始めた。最初にナンパの聖地として君臨したのは銀座・コリドー街だ。飲食店が立ち並ぶビジネス街の路地に、出会いを求める男女が二人組み以上で練り歩き、好みのマッチングを果たすまで道を往復する様を初めて見た時は驚いた。筆者もその頃はよく美人のOLとコリドーに通ったが、女性は新卒世代からアラサーくらいまで、男性は20代~50代くらいまで幅広く来ており、男性側が女性におごる風潮もあったため、実際に飲食店には大きな経済効果を産んだ。 乾杯 時は過ぎて2020年の今、東京のナンパ聖地は恵比寿になった。せんべろブームから恵比寿にある「恵比寿横丁」が流行したことがきっかけで、今やコリドーよりさらに範囲の狭いエビ横が、金曜日の夜はぎゅうぎゅう詰めになる。渋谷や六本木など、東京の他の歓楽街からもアクセスがいいことから、エビ横以外にも立ち飲み系の飲食店が増え、週末は人が入りきらず行列を作っている。  恋愛工学は気弱な男性たちのナンパ参入のハードルを下げたし、女性側もマッチングアプリの流行などから、初対面の人と時間を過ごすことのハードルが下がったこともあり、そういう意味では10年前から比べても、ナンパという出会いはバブルから久しぶりに日の目を見始めた。  『パブリックスタンド』や『スイッチバー』など、チェーン展開しているスタンディングバーも増え、東京では街を問わず、ナンパOKが暗黙の了解となっている飲食店も多い。地方でも恋愛工学効果なのか、「地方でナンパ」を謳うナンパ師も増えており、ある程度場所を問わず流行しているのがすごいところだ。

参入ハードルの低い今、トライの価値はアリ

 ナンパスキルを上げるためにネットのナンパ情報がどのくらい威力を発揮するかはおしなべては言えないが、少なくとも今は男女共にナンパに関しての参入ハードルは下がっているので、今からでもトライしてみる価値は多いにある。  強いて言うなら「年齢を意識した服装、髪型、発言」に気をつけながら、まずは女性とのコミュニケーションに引け目を感じない同性と一緒にナンパスポットとされる場所に行ってみるといいだろう。財布のヒモはちょっとだけゆるくしておいて、とはいえ過度に使いすぎず、くらいがベストだ。 <取材・文/ミクニシオリ>
1992年生まれ・フリーライター。ファッション誌編集に携ったのち、2017年からライター・編集として独立。週刊誌やWEBメディアに恋愛考察記事を寄稿しながら、一般人取材も多く行うノンフィクションライター。ナイトワークや貧困に関する取材も多く行っている。自身のSNSでは恋愛・性愛に関するカウンセリングも行う。
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