「努力してまで恋愛したくない」が令和の恋愛観? <アラサー独女の婚活・恋活市場調査>

アラサーのラブライターが令和の恋愛・婚活を考察

令和の恋愛・婚活 今の時代、結婚になんの意味があるのだろう。  世の中は娯楽に溢れ、テクノロジーが普及して便利になった。その反面、若者である私たちにとっては、常に景気は悪く安定しない。終身雇用も消え去り、明日、来年がどうなるか分からない時代。  そんな時代だからこそ、誰かと支え合って生きていきたいような気もするけれど、そんな時代だからこそ、恋愛のために身を削ることもできない。ストレスの多い長時間労働の後に、気を使う相手との恋愛をするくらいなら、一人YouTubeでゲーム実況を見ている方が楽しい気がしてしまう。令和の時代に流れる恋愛・婚活事情は、そんな調子で混沌と停滞気味だ。  これは「ラブライター」を名乗り、性愛と結婚に向き合ってきたアラサーの筆者が、令和の時代を生きる「恋愛・婚活消費者」たちを考察していく連載である。自分自身、恋愛や性を消費するばかりで摩耗し続けた女が、自分の幸せを探しながら、令和の婚活・恋活市場のリアルを語る。

今を生きる私たちの恋愛観は「暇だからとりあえず恋したい」

 今の恋愛・婚活市場を見ていて、一番に感じるのはその「ガチじゃなさ」だ。  SNSの普及で人との出会いが簡単になり、知らない人と知り合うことのハードルが下がった。そんなことからか、繁華街ではここ5年くらい、ナンパが再ブーム化している。知らない人から唐突に声をかけられることに、運命より恐怖を感じる日本人が、今こうして飲み屋でのナンパやネット経由でオフ会したりを楽しんでいるというのは、ある意味素晴らしい進展ともいえる。  出会いそのものは手軽になってきたが、日本の結婚率は上がらない。ここに、その「ガチじゃなさ」が顕著に現れているように感じる。  ネットやナンパでの手軽な出会いには、責任が発生しない。出会い自体は簡単になったのに、簡単な出会いでは真剣な交際に発展しないのだ。  お見合いや結婚相談所でなく、ネット出会いやナンパなどの気軽な出会いを希望する人は、恋愛や結婚を”マスト”と捉えているかというと、そうではないだろう、と感じることも多い。  ネットから出会った相手は、簡単に連絡先をブロックしたり、メッセージを未読のまま数週間放置したりする人が多い。ナンパしてきた相手は、当日アポイントの飲み会に誘うばかりで、お互いを知る会話が生まれない。  気軽な出会いの場にいる人たちは、必ずしも恋愛へのコミット率が高いかというと、そうでもないように見える。「暇だから」とりあえず出会える場所に行って、気が合わなければ即フェードアウト。そんなドライな出会いが、都会を中心に増殖しているように感じる。せっかく出会える場は増えても、なかなか実になっていかないのが現状だ。
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結婚と恋愛は「我慢してまで」したいものではなくなった
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