というのも同日付けで岩国市教育委員会の教育長から、令和2年度の山村留学の受け入れを見送る旨が記載された文書が母親に出されたからだ。母親が求めた新しい質問票は作成されることはなく、娘の委託契約の継続を不可とする通知が届いた。
岩国市教育委員会から児童の母親に届いた次年度の受け入れ見送り通知
通知文書には「慎重審査の結果、受入れを見送ることとしました」とあり、
見送りの理由については記載がない。市側は児童の母親とのやり取りやこれまでの経緯から委託契約を継続更新しないことへの合理性が保てると判断したのであろう。
母親は受け入れ見送りの理由を市側に問い合わせたが回答は得られず、通知者である教育長に対し不服申し立てを行った。しかし、結論が覆される可能性は低い。
“審査”について市の担当者は「個別のケースについては個人情報なのでノーコメント」と前置きし「一般論として、規約により個別に審査を行い、センター入居について契約するか市が判断する」と話している。
「誤解」で収束を図る自治体と巨大宗教組織。告発の結果、施設を去ることになるのはレリハラを行った所長ではなくレリハラを受けた女子児童になりそうだ。
<取材・文/鈴木エイト(ジャーナリスト)>
すずきえいと●やや日刊カルト新聞主筆・Twitter ID:
@cult_and_fraud。滋賀県生まれ。日本大学卒業 2009年創刊のニュースサイト「やや日刊カルト新聞」で副代表~主筆を歴任。2011年よりジャーナリスト活動を始め「週刊朝日」「AERA」「東洋経済」「ダイヤモンド」に寄稿。宗教カルトと政治というテーマのほかにカルトの2世問題や反ワクチン問題を取材しイベントの主催も行う。共著に『
徹底検証 日本の右傾化』(筑摩選書)、『
日本を壊した安倍政権』(扶桑社)