パワーシフト・キャンペーンのサイトでは、環境負荷に配慮した電力会社の一覧を見ることができる
実際、パワーシフト・キャンペーンのサイトには、自治体がやっている電力会社、地域密着型の電力会社、生協系の電力会社、複数の地域に電気を供給している電力会社とタイプ別に各電力会社の情報が掲載されている。
そこには、太陽光や風力、バイオマス、小水力など、どのような再生可能エネルギーによる電気を供給しているかなどの情報が掲載されている。さらに詳しい情報が知りたい場合は、各電力会社のウェブサイトで確認するといい。
電力会社の契約を変えるとなると、ちょっと大変そうに思えるかもしれない。だが、吉田さんは「とても簡単ですよ」と言う。
「物理的な電気の流れは変わらないため、設備工事はいりません。選んだ会社に、ウェブや電話などで申し込みするだけです。アパートやマンションでも建物一括契約のものを除けば切り替え可能ですし、リスクもありません。もし選んだ会社が仮に倒産したりしても停電したりはしません。電力の価格もほとんど変わりありません」(吉田さん)
実際、筆者も「パワーシフト」してみたのだが、ネット上の手続きだけで、ものの10分程度も時間はかからなかった。その後も、特にトラブルもなく電気を使えている。何より、原発や石炭火力発電による電気ではない、よりエコな電気を使えるということがすばらしい。
今まで、電気を使うたびに後ろめたい気持ちになったものだが、非常に気分が楽になる。だからと言って電気の無駄遣いはするべきではないし、省エネに努めるべきではあるのだが。
パワーシフトは個人だけではなく、企業や学校、自治体も行っているとのこと。例えば、埼玉県飯能市にある私立中学高等学校「自由の森学園」は「未来の社会を担う子どもたちが学び生活する場である学校は、地球と社会の持続可能性に無関心であってはならないとの考えが基本にある」とのことから、パワーシフトに踏み切った。
同校には、契約した「みんな電力」のスタッフらが訪れ、環境問題の選択授業で生徒たちと議論するなど、教育効果としても大きなメリットがあるとのこと。このような
「パワーシフト体験談」もウェブサイトで見ることができる。
吉田さんは「パワーシフトによって、ただ電気を買うだけじゃなく、地元や発電所のある地域とつながりができるのです」と語る。
「例えば電力会社によっては、発電所の見学ツアーや子ども向けワークショップを行ったり、売電利益の一部をつかって子育て支援や福祉など地元の社会貢献活動を支援したりしています」