今からでも間に合う、すぐできて効果抜群の「部屋の寒さ」対策とは?

戸建ては優先順位を決めて内窓の設置を

部屋の温度差イメージ 窓の多い戸建て住宅は、マンションのようにすぐにすべての窓にとはいきません。そこで、優先順位を決めて体感しやすいところから内窓をつけていく作戦がお勧めです。まずは一番過ごすことの多いリビングと寝室、そして寒くなりやすいお風呂場、脱衣所、トイレなどを優先して設置していきたいところです。  それにより、急激な温度差で血圧変動が起こり意識を失う、いわゆるヒートショックの対策にもなります。「自分はもう歳だから」といって家を寒いままにしている家庭も多いのですが、家の寒さで倒れてずっと寝たきりになったり、命を落とすことになったりしたら、こんなにもったいないことはありません。しかもそれは対策をすれば防げることなのです。  知人の実家では、ご両親が冬の夜に脱衣所が寒すぎてお風呂に入れず、朝に入っていたと言います。しかし最近、脱衣所や風呂場に内窓をつけると寒さが気にならなくなり、夜にゆっくりお風呂を楽しめるようになって大満足しているとのことです。  「もう1月なので、しばらく待っていると暖かくなるから」と思っている方もいるかもしれません。でも実は、内窓は夏の暑さ対策としても大きな効果を発揮する優れものです。外の熱気は通りにくくなり、冷房の効きも格段に良くなります。  これらの「住まいの新常識」について、昨年末に筆者が上梓した電子書籍『「寒い住まい」が命を奪う~ヒートショック、高血圧を防ぐには~』では詳しく説明しています。長い目で見れば、内窓という選択は快適性や省エネ性能の向上に加えて、健康面でも経済面でもメリットをもたらしてくれます。まだ体感したことがない人こそ、一度内窓を試して暖かい住まいを実現してほしいと思います。 <文/高橋真樹>
ノンフィクションライター、放送大学非常勤講師。環境・エネルギー問題など持続可能性をテーマに、国内外を精力的に取材。2017年より取材の過程で出会ったエコハウスに暮らし始める。自然エネルギーによるまちづくりを描いたドキュメンタリー映画『おだやかな革命』(渡辺智史監督・2018年公開)ではアドバイザーを務める。著書に『ご当地電力はじめました!』(岩波ジュニア新書)『ぼくの村は壁で囲まれた−パレスチナに生きる子どもたち』(現代書館)。昨年末にはハーバービジネスオンラインeブック選書第1弾として『「寒い住まい」が命を奪う~ヒートショック、高血圧を防ぐには~』を上梓
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「寒い住まい」が命を奪う ~ヒートショック、高血圧を防ぐには~

家が寒いと光熱費がかさむだけではなく、健康にも大きな影響が…