
新屋演習場を中心とした1kmごとの等距離円
最外周は10km
3km以内は消失が予想される。
5km圏外では、被害は大きく減少する。
ガラスやトタンなどは、8km圏内では破壊される。
Google Mapで等距離円・方位線を表示する(国土地理院地形図を利用)より

新屋演習場 撮影2019/10 撮影 めたぼ
写真範囲内は完全に破壊・焼夷される
海の向こうに見えるのは男鹿半島で、男鹿半島からは見事な原子雲(キノコ雲)が目撃されることになる
ここまで写真と地形図で秋田市を見てきましたが、
秋田イージス・アショアに50kt級の核で先制奇襲核攻撃が行われた場合、秋田市のCBDは、直ちに機能を消失し、秋田県・市の機能は失われ、秋田市の1/3は消滅すると思われます。
一方で、鉄道は爆心から4〜5km圏外を弧状に敷かれていますので電化施設以外は機能を失いません。また高速道路は機能が維持されます。故に、被爆後12時間予想されるフールアウト(黒い雨と呼ばれ、致命的な強い放射能を帯びる)を避けられた地域は、
かなり短時間でインフラの回復は見込まれます。
秋田市の人口は、30万人ですので
被爆後半年内の死者は4〜5万人程度と予想されます。これは、
爆心がCBDから2500m離れていること、爆心の西側が海であることから人的被害規模が半減するためです。
秋田市には、本来
戦術的にも戦略的にも核攻撃を行う価値は皆無であって、このような被害予測をする理由は本来全くありません。あくまで、
合衆国の兵器産業と合衆国防衛のため、また安倍自公政権の権力維持という個人的かつ刹那的理由のみからイージス・アショアを秋田市に配備するからこそ発生する危険です。
しかも
日本本土防空には全く意味がありません。
欧州イージスアショアの場合は、本シリーズで述べたように
合衆国のお金で配備され、合衆国が運用し、しかも人口のきわめて少ない場所に配備されています。
欧州イージス・アショアが配備されたデベセル基地は、周辺の人口密度はきわめて低いです。ここで秋田新屋演習場とデベセル基地のだいたい同縮尺の衛星写真をGoogleMap衛星写真で再掲します。
◆
ルーマニア陸軍デベセル基地=ルーマニア配備イージス・アショア基地
◆
陸上自衛隊新屋演習場
このような
外国領土防衛専用軍事施設を一兆円前後に及ぶ日本人の税金で設置し、日本人によって運用する(先制奇襲核攻撃によって米兵は死なない)という安倍自公政権の行為はおよそあり得ない
狂気の沙汰なのですが、これを絶賛支持するのが安倍自公政権支持者であり、カタログミリヲタという兵器スペックのみ愛好家の一群です。
つい先日、このカタログミリヲタの暴言の中でも、「
秋田は人口が少ないから適している」などというものが目に付き、呆れ返りました。
このカタログミリヲタ人士の頭には、
秋田市に30万人の市民が居住し、秋田県の中心業務地域(CDB)が核攻撃による推定焼失半径内に含まれるという事実が全く入っていません。「(米軍)兵器スペックのみ愛好家」ならではでしょう。
こういった歪な思考とそれに基づく市民への攻撃は、沖縄でも見られますが、自分の頭で思考することも自分の力で調べることも放棄した故のことであり、安倍自公政権与党政治家にも共通しています。
これらは、まさに本シリーズ
第9回、
第10回でその爆誕を指摘した
“家畜人ヤプーしたっぱ“そのものです。
秋田県市にたいして非国民呼*ばわりしたアベウヨ、ネトサポと呼ばれる人々と共通する異常な一群と言えます。
〈*”
「イージス引き受けないのは非国民との批判、県内外から」秋田の佐竹知事が明らかに – 毎日新聞” 2019/06/24〉
空撮写真には、そのような“家畜人ヤプーしたっぱ“の空虚かつ無意味な譫言にはない、
現実に先制奇襲核攻撃に晒されることとなる30万人市民の生活が写っています。
今回は、空撮写真をもとに想定される先制奇襲核攻撃による被害程度を概説しましたが、次回は2013年度外務省委託研究*に基づいてより詳細に解説します。
〈*
平成25年度外務省委託「核兵器使用の多方面における影響に関する調査研究」 朝長万左男2013年度外務省委託研究/本稿もこの研究報告書をもとに被害程度を試算している〉
今回、秋田放射能測定室「べぐれでねが」の「めたぼ」さんから、空撮写真を提供していただきました。誌上でお礼申し上げます。
今後も空撮写真などを用いてより詳しく様々な事柄を記事化してゆきます。
秋田放射能測定室は、多くの方々の寄付で支えられています。3.11以前には、多くの研究所、試験所、大学で維持不能となっていたGe検出器式の装置を個人規模で運用するのは、たいへんに困難ですので、ご関心があれば
こちら をご覧になりご支援くださりますと幸甚です。
『コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」』ミサイル防衛とイージス・アショア18
<取材・文/牧田寛 写真提供/秋田放射能測定室「
べぐれでねが」>
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まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題について、そして2020年4月からは新型コロナウィルス・パンデミックについての
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