トラックドライバーはゴミマナー意識が一般ドライバーより悪いのか?
では実のところトラックドライバーは、一般ドライバーと比べてゴミに対するマナー意識が飛びぬけて悪いのかと言ったら、やはりそんなことはない。
実際に今回、現役トラックドライバーに「同業者に感じるマナー違反にはどんなものがあるか」というアンケートをTwitterで行ったところ、大変多くのドライバーが「ポイ捨て」を挙げ、「
同業者として情けない」、「
一緒にされることに憤りを覚える」といった声を聞かせてくれた。
また、正義感の強い彼らの中には、普段から「ポイ捨てしているドライバーがいた」と筆者に報告してくれる人や、画像や動画を拡散して「プロではない」「恥さらし」と怒りをあらわにする人が驚くほどたくさんいる。
ゆえに、
「トラックドライバー=ポイ捨てする」という固定観念を世間から持たれるのは、やはり本意ではないのだ。
にも関わらず、どうしてトラックドライバーは、とりわけ強いポイ捨ての印象を持たれるのか。
それには第一に、彼らが絶対的に「道路上や車中にいる時間」が一般ドライバーよりはるかに長いため、「ポイ捨てする機会」も必然的に増えるという現状がベースにある。
時間に追われるトラックドライバーは車内で食事を取ることが多い。また、車内・路上にいる時間が長くなれば、出すゴミの量も一般車より多くなる。
そのため、「ポイ捨て率」が他車より高くなるのは、当然と言えば当然なのだ。
無論、だからといってこうした行為を「はいそうですか」と笑って許せる隙は一切ない。
どんな事情があっても、トラックドライバーである前に人であるべきで、一般車の車高からはポイ捨てできない、高いフェンスの張られた向こう側にコンビニ弁当や雑誌、空き缶などのゴミが散乱しているのを見ると、やり場のない憤りがこみ上げてくると同時に、姿の見えない持ち主のもとへ配送したくなる。
そんなゴミの中でも、とりわけ同業者が「恥ずかしい」と嘆くモノがある。
「
用を足したペットボトル」だ。
彼らがペットボトルに用を足すのには、彼らなりの事情がある。
過去にも述べてきたように、時間厳守で走る彼らには、とにかくトイレに寄る時間がない。いや、時間があっても「寄れるトイレ」がないことのほうがむしろ多いかもしれない。
図体の大きいトラックは、立ち寄れるコンビニや店舗が大変少なく、大型車専用駐車レーンのあるサービスエリアに行っても混雑時は駐車できず、トイレに長時間行けないことがあるのだ。
さりとて、ペットボトルに用を足すのと、それを外に投げ捨てるのとは、全くの別問題である。
筆者が現役時代、マナーの悪いドライバーに用足しのペットボトルがポイ捨てされている現状を嘆いたところ、「小便我慢しろってのか」と言い放たれたことがあった。
が、なにも生理現象を我慢しろというわけではない。過酷がゆえに、ペットボトルへの用足しもやむを得ないことだってある。
しかし、自らが作り出したその用足しペットボトルのポイ捨ては、もはや「人格のポイ捨て」と同義。女性の筆者からすれば、正直、用が足せるだけ羨ましかった。