雨天のために検修車庫内で開催された2017年
2017/10/28撮影 牧田寛
ここまで見てきたように、高知運転所の鉄道用品販売は、パレットに載せたままの大物を屋外に並べるために雨天時には会場設営ができません。そのため雨に見舞われると規模を縮小することになります。
2017年がまさにこれで、あいにくの雨でしたが、一般公開そのものは実施され、お客も屋内会場にひしめいていました。軌道自転車(レールスター)乗車体験も、小雨がぱらつく中、実施されていました。
しかし、流石にパレットでそのまま屋外に出店する鉄道用品販売は無理で、検修車庫内で小規模に行っていました。とても残念なのですが、一方で普通は公開していない部屋での開催でした。
この年もガラスが出品されていましたので、やはりフロントガラスなどを買うお客さんがいるのでしょう。お値段は、かなり手頃なものになっており、筆者でも手が出せます。
キハ32-16フロントガラス2017/10/28撮影 牧田寛
運転台側のフロントガラス
車両の中古ガラス2017/10/28撮影 牧田寛
左から2000系フロントガラス、2000系プラグドアガラス、乗務員室ガラス(車両、場所不明)
値段もかなりこなれてきていますが、どうやって運ぶのか疑問です
しかし、大きくて重くて易損品(いそんひん)のフロントガラスをどうやって運び、何処において、何に使うのかは長年の謎です。家を建てるときに遮光ガラスとして使うのならばお得かもしれません。
この年は、
グリーン車の座席が少なくとも二脚出品されていましたが、筆者が見たときには売却済みの紙が貼られていました。
小物にもけっこう良い品があり、
改札用の鋏など、昔なら流通しなかったものや、
国鉄四国総局オリジナルのメモ帳がでておりました。筆者はこのときスッカンピンだったので、安い国鉄小物に留めましたが、
鋏は心残りです。
鉄道小物類2017/10/28撮影 牧田寛
号車札などは安いのでお勧めです。
中学生が好んで買っています
鉄道小物類2017/10/28撮影 牧田寛
改札鋏は、昔なら不正乗車防止のために、なかなかでてこなかったものです。
なぜかJR四国ではエンジンのピストンがよく売られています
よりどり3点100円小物2017/10/28撮影 牧田寛
国鉄時代の特殊貨物検査表や回送車票はお値打ち品と思います。
お金のない小中学生や筆者を引きよせます
国鉄時代のものは倉庫を片付けていると出てくるとのことで、時々思いがけないものが現れます。
高知運転所には車で乗り付けられるために、皆さん大物をかなり気軽に買って行きます。車までは台車を借りて乗せられますが、流石にフロントガラスのクレートやら重い入れ替え信号灯は無理と思います。勿論、輸送業者の手配をすれば良い話で、相談には応じてくれると思います。
この大物を持ち帰られるというのが郊外移転して、駐車場所にも恵まれた鉄道施設の特徴で、余所では見られないものがたくさん出品されています。
但し、開催年によって出品内容はかなり変動しますので必ずあるとは言えません。今年は台風のために中止となりましたが、来年以降も思いがけない出物があるかもしれません。
良いものは先に売れますので、朝のうちに行くことをお勧めしますが、一方で昼を過ぎると食品売り場の見切り品のように値段が下がりはじめ、閉会時間前には半額以下になっているものもあります。いろいろ運任せですが、一見の価値はあります。
高知運転所の鉄道の日協賛行事一般公開、次回は、屋内展示編で最終回となります。
◆コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」JR四国高知運転所一般公開編3
<取材・文・撮影/牧田寛>
Twitter ID:
@BB45_Colorado
まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題について、そして2020年4月からは新型コロナウィルス・パンデミックについての
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