鉄道系施設一般公開の目玉「鉄道用品販売」。JR四国高知運転所では何が売られていた?<コロラド博士の「鉄分補給」>

 前々回前回と、高知運転所が移転した経緯、一般公開での屋外展示をお伝えしてきました。今回は、知る人ぞ知る、高知運転所一般公開での鉄道用品販売・オークションについてご紹介します。なお鉄道用品販売は、その年によって内容が大きく変化します。また雨天時には、会場設営の都合のために大幅に縮小されてしまいます。

2010年頃以降、大きく変わった高知運転所の鉄道用品販売

 運転所や工場の一般公開では、鉄道用品販売が大きな目玉で、その定番は、鉄道時計、鞄、スタフ、サボなどとちょっとした小物です。実は2008年頃まで高知運転所一般公開でも鉄道用品販売はそれほど他と変わることはありませんでした。  販売物も時計や鞄は本社から値段設定の指示がなされているとのことで、どこの運転所や工場の一般公開でも同じでした。
2007年時の鉄道用品販売

かつての鉄道用品販売2007/10/20撮影 牧田寛
ピロティで長机4枚だけを使った一見ごく平凡な鉄道用品販売でした。
大人は鉄道時計を物色し、小中学生はスタフを物色していました。値段は10〜33倍異なりますが、どちらも真剣です。
机の下に怪しい品々が隠れており、すでに後年の変化を暗示していました

 ところが、2010年10月の鉄道の日一般公開イベントで参加した高知運転所での鉄道用品販売は、大きく様変わりして妙な活気のあるものとなりました。  では、前回最後の写真に続く2014年鉄道用品販売を写真で見て行きましょう。

2014年鉄道用品販売

 後にご紹介しますが、2010年(09年からの可能性もあり)に様変わりした鉄道用品販売は、鉄道廃品店では扱ってないものだらけのために相場が見定めずに二の足を踏む価格のものが多かったのですが、2014年にもなると、価格設定もこなれてきて、お客さんが気軽に手を出せる値段になっていました。オークションも開始価格と出品物が妥当になってきていました。  前回最後の写真では、13時からオークションが始まりました。職員さんもノリッノリです。このときは、列車愛称板、列車種別板、座席種別板、車両形式板ほか、連結部の渡り板など皆さんどんどん入札して行くために値段もついて行き、筆者は指をくわえてみているほかありませんでした。  出所がはっきりしているためにレプリカ(模造品)を黙って掴ませられることはありません。レプリカ出品の場合は、きちんとこれはレプリですと言ってくれます。  相場は、この2014年の販売会が基準と考えて良いと思いますが、夕方になると半額になることがあります。このあたりはスーパーの食品売り場と同じです。
ムーンライト高知列車愛称板

鉄道用品オークション2014/10/18撮影 牧田寛
ムーンライト高知列車愛称板

鉄道用品オークション出品物

鉄道用品オークション出品物2014/10/18撮影 牧田寛
列車愛称板、列車種別板、座席種別板、号車札、区名札などの札ものが多い。
サボ差し枠もある。
ほか、ダイヤグラムなど多数

制服まで出てきました

鉄道用品オークション2014/10/18撮影 牧田寛
制服まで出てきました。但し、デザイン変更前のものです
ノリノリで、とうとうパレットの上に立っています

クレート(輸送用木枠)入りの何か

高知運転所名物2014/10/18撮影 牧田寛
この年から現れたクレート(輸送用木枠)入りの何かです。
でかい!

2000系中古ガラス

2000系中古ガラス2014/10/18撮影 牧田寛
木製クレートに入っているものは、JR四国2000系気動車のフロントガラスなど、大型の中古ガラスでした。
割れ物なのでクレート入りですが、どうやってもって帰り、何に使うのでしょうか

三灯式信号機

三灯式信号機 2014/10/18撮影 牧田寛
お値段はまずまずなのですが、大きくて重いです。
持って帰れば家から追い出されたことでしょう

いろいろな出品物

2014/10/18撮影 牧田寛
奥から(たぶん)合図灯の充電器、エンジンのピストン、つり革一式、サンバイザー。
左に見切れているのは、踏切警標(踏切にある虎縞のバッテン標識)

さらにいろいろな出品物

2014/10/18撮影 牧田寛
左から入換信号機、運転室座席?、ブレーキ弁(制動弁)、客室用扇風機(コンセントですが、直流用)、後ろに立っている緑色の枠はデフロスター

信号灯や標識灯

2014/10/18撮影 牧田寛
信号灯や標識灯
奥に山盛りであるのは、踏切警報灯

信号灯など

2014/10/18撮影 牧田寛
門柱に設置してお客を断るのに使えそうですが、持って帰ると家に入れてもらえないので諦めました

本や冊子

本や冊子2014/10/18撮影 牧田寛
写真に写っているのは業界誌ですが、牽引定数表やらダイヤグラムやら、垂涎(すいぜん)の品の数々が後ろから出てきます

乗務行路表(スタフ)

乗務行路表(スタフ)2014/10/18撮影 牧田寛
珍列車のスタフが混ざっています。
紙だけの裸スタフですとかなり安いです。
中学生は、ケース入りを一枚買って、あとは紙だけのスタフを買って入れ替えて使うと言っていました

グリーン車座席

グリーン車座席2014/10/18撮影 牧田寛
値段が下がって買えるお値段ですが、重いし大きいし、何処に置くのでしょうか。
特急の椅子は、かなりの人気商品で、時々出てきますが必ず売れます

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