そこかしこに日本語表記
繁華街にいけば、あちこちに当たり前に日本語の案内が掲示されている。地下鉄も主要駅では日本語のアナウンスが流れる。日本語がわからなくても丁寧に説明はしてくれるし、少しでもわかる人であればより丁寧な説明が始まる。外国に来たというよりは、ちょっと方言の強い西日本の街に来たような気分である。
そこかしこに日本語表記その2
ここにも日本語表記
とりわけ驚いたのは、絶対に日本語が通じなそうな健康ランド。こちらが、スマートフォンの翻訳アプリを片手に「アンニョンハセヨ~」と入っていったら「ああ、日本人ですか? 7000ウォンね。タオルは中だよ」という具合。
ネットで見かけたことのある「日本人お断り」のような掲示をしている店はどこかにあるのかと探してみたが、まったく見つからなかった。
出くわした政治的に妙なものといえば繁華街・南浦洞で文在寅大統領の顔に×点を書いて、太極旗と星条旗を掲げて演説していたグループぐらいか。もっとも、これも周囲の店の人が「うるさいなあ」という表情で様子見をしていたのだが。
唯一韓国国内で見かけた政治的なもの。文在寅大統領の顔に×点を書いて、太極旗と星条旗を掲げて演説していたグループ
メディアや政治家の発言を通じて、どんどん悪化しているように感じられる日韓関係。しかし、われわれ庶民のレベルには、それはほとんど関係がなかった。
パソコンやスマホから流れ込んでくる情報は、憎悪や負の感情を増幅させる。それは、ほかの問題でもいつも感じること。ほんの僅かでも見て触れることで、そんなものからは解放されるのだと改めて知った。
日韓関係の悪化という負の要素によるものだが関釜フェリーのみならず航空運賃も大幅にダウンしている。いまこそ韓国を旅行してみるべきと、太鼓判を押したい。
<取材・文・撮影/昼間たかし>
ひるまたかし●Twitter ID:
@quadrumviro。
ルポライター。1975年岡山県に生まれる。県立金川高等学校を卒業後、上京。立正大学文学部史学科卒業。東京大学情報学環教育部修了。ルポライターとして様々な媒体に寄稿、取材を続ける。政治からエロ、東京都条例によるマンガ・アニメ・性表現規制問題を長く取材する