コンビニオーナー、牛久入管被収容者、処分京大生……虐げられた人々が日比谷野音に集結

無期停学処分を受けた京大生・北村剛さんの訴え

 今回の集会には労働者だけではなく、学生たちも参加していた。その中には現在相次ぐ処分が問題になっている京都大学の学生の姿もあった。  京都大学では、職員に抗議したという理由で3人の学生が9月に無期停学処分にされている。10月には、今年2月の京大入試で「オルガ像」を設置した学生が処分を検討されていることが判明した。9月に無期停学の処分を受けた学生の一人である京大工学部4年生・北村剛さんは、マイクを握ると「僕も含めて処分された3人はすべて熊野寮生です」と話し始めた。  「今回の処分ですが、これまでの処分とは異質なものだということをアピールしたいです。これまでの処分は学生が職員に対して暴行したとか、学生をまず立ち入り禁止にしてから建造物侵入だと言うとか、つまり、大義名分をでっち上げないと処分を下すことができませんでした。しかし今回の僕たち3人に対する処分は、大学職員に対して抗議したことをもって『学生の本分を守らない者』という処分の理由にしています。今の京大は大学の現状に抗議することすら許されない、そういう大学になってしまっているんです。僕達3人への処分は、大学に逆らう学生は許さないという見せしめの処分でもあると思っています。  京大の自治寮である熊野寮は、この処分に対し熊野寮自治会として撤回を求める声明を出しました。署名も始まったので、全国で集めていきたいと思っています。12月には京大の学内で全学集会を行いたいと思っています。今回の処分は僕たち3人だけではなく、全京大生、全国の学生、全社会、世界中の人達に関係ある問題だと思っています。ぜひ12月に京大に大結集してください!」

組合活動を口実に80名以上が逮捕されている関西生コン支部

 関西生コンは、生コンクリート関連産業の労働者によって組織された産業別労働組合だ。大手ゼネコンから生コンクリートを安く買い叩かれることを防ぎ、過度な価格競争で安全性に問題のある粗悪なコンクリートが作られるのを避けるため、協同組合と連携して様々な活動を行っている。  同組合からは、荒川勝彦執行委員が登壇し、不当逮捕などの弾圧に対して抗議した。  「これまでに再逮捕を含め、延べ87人が逮捕され、50人以上が起訴されています。汚水の垂れ流しや不法投棄を問題視するビラを配布すると威力業務妨害として逮捕される。被害者とされる人物が金銭の要求などされていないと訴えているにも関わらず、金銭を脅し取ったなどと事件を捏造され、逮捕される。あろうことか和歌山の生コン業界のトップが暴力団員を関西生コンの事務所に差し向け、そのことに抗議すると逮捕される。警察と裁判所が一緒になって組合活動の妨害を行ってきています。  これは憲法28条によって保証されている労働基本権を踏みにじるものであり、民主主義を破壊する前代未聞の異様な大弾圧です。私たちは戦争法(編集部注:安全保障関連法案)や共謀罪などの悪法を阻止する運動や、沖縄の基地反対運動、脱原発運動などにも関わっており、これは安倍政権との戦いでもあります。安倍は改憲を声高に訴えておりますが、現行の憲法を無視して数々の悪政をおこなう安倍に、憲法を語る資格があるのでしょうか。我々はどんな弾圧があろうが、安倍政権のような悪政には立ち向かっていきます。  正当な大衆運動がこのような弾圧に屈することはありません。我々関生は『人の痛みは自分の痛み』という精神で闘ってきた歴史があります。だからこのような弾圧には決して負けません。勝利するまで今後も闘っていきます」
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「闘う労働組合」は甦るのか
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