ツアーは担当するガイドさんによっても少しずつ説明・解説が異なるという。今回どういう解説があったかについてはあえてあまり書かないので、ここからは写真を中心に「皇居散歩」のようすを紹介しよう。
桔梗門。一般参観ではここから皇居内へと入る。江戸時代には「内桜田門」とも呼ばれていた。
かつて太田道灌の家紋である「桔梗」があしらわれていたことが名前の由来だとか
1921年に建てられた旧枢密院。奥にあるのは皇宮警察。
旧江戸城の石垣には築城した際に担当した諸大名の家紋などが刻まれているものも。注意深く探してみよう
江戸城で現存する3つの櫓のうち最も大きい富士見櫓。かつてはここから富士山が見えたそう。
庭園の清掃にはボランティアの方も多く参加しているとのこと
宮内庁本庁舎。1935年築。空襲後は仮宮殿として使用されたことも。
こうした歴史的建造物に出会えるのも皇居見学の楽しみの1つだ
皇居宮殿・長和殿。現在の宮殿は1968年に建てられたもの。
一般参賀の際には、前の広場である「東庭」が約2万人の人で埋め尽くされる。
実は地下は駐車場となっているそう
あまりの広さにここが何処か忘れてしまいそう。正面に見える警視庁でようやく「自分の居る場所」が把握できる。
正面に見えるのは正面鉄橋、通称「二重橋」
正門石橋から皇居前広場を望む。
「二重橋」というとこの橋をイメージする人もいるであろうが、二重橋はこの写真を撮影している場所、石橋より1つ皇居側の橋のこと
1つ、説明のなかで気になったのは、一般参賀でもお馴染みの宮殿前の花が「今の上皇陛下の誕生日に合わせて12月に咲くようになっている」ということ。
天皇陛下の誕生日は2月26日。果たして来年の天皇誕生日の一般参賀では植えられている花々に変化があるのかどうか…ぜひ注目してみたい。
街灯1つをとっても美しい。
実は戦前に建てられた街灯も大部分がLED化されているとか
さて、皇居の参観を終えた後にオススメしたいのが、「皇居東御苑」と「三の丸尚蔵館」の見学だ。
こちらは桔梗門から一旦内堀通りに出て、パレスホテルを右に見ながら北側に進んだ場所にある旧江戸城大手門から入苑することができる。ちなみに、皇居東御苑と三の丸尚蔵館に直接行く際には東京メトロ・都営地下鉄大手町駅(「C13a番」もしくは「C13b番」出口)を利用すると便利だ。
内堀通りを北に進むと見えてくるのが旧江戸城大手門。
現在の大手門は空襲で焼失後、1967年に再建されたもの。
ここから皇居東御苑へと入ることができる
皇居東御苑は旧江戸城本丸・二の丸・三の丸の一部に設けられた庭園で、皇居宮殿・長和殿が設けられた1968年から一般公開がおこなわれている。こちらはツアー形式ではなく完全に「自由散策」となっているため、「一般参観は時間が合わなくて行けそうにない」という人にもオススメしたい。
この東御苑内にある三の丸尚蔵館は、もともと昭和天皇ゆかりの品を収蔵・展示する施設として1993年に設立されたもの。皇室から国へと寄贈された平安時代からの貴重な美術工芸品などが収蔵・一部展示されているほか、季節ごとに様々な企画展覧会も開催されている。それぞれの入場料は無料だが、持ち物検査を受け管理票を貰う必要がある。9月21日から1月19日までは「大礼-慶祝のかたち」展を実施中。また、入場可能時間は季節によって変化する(2019年10月の三の丸尚蔵館の開館時間は9時から16時15分(入館は16時)まで、11月は9時から15時45分(入館は15時30分)まで。月・金曜は休館)。
また、東御苑内では1657年の「明暦の大火」(振り袖火事)によって焼失するまで江戸城の天守閣があった天守台なども見学することができるが、10月現在はある工事のためにこの天守台を見学することはできない。
三の丸尚蔵館
緑に囲まれた都心のオアシス・皇居。
皇位継承儀式などによりメディアで見かける機会が多い今だからこそ、「まだ行ったことない!」という人は、皇居を散策して江戸から令和までの時代の移り変わりを感じてみてはどうだろうか。
皇居東御苑から見た大手町の街並み。皇居はまさに「都心のオアシス」だ。
現在、東御苑は一部のみしか立ち入ることができない