菅原にとって、菅官房長官との関係は生命線である。菅原は経産大臣への抜擢についてメディアの取材に「菅さんが推薦してくれたのだろう」と答えている(9/12付読売新聞朝刊)。
筆者はそう遠くない時期に菅原の入閣があるとは予想していた。ただしそれは現在の安倍政権下ではなく次期政権を菅義偉官房長官が担った際に、忠臣として尽くしてきた菅原が登用されるのではないかと思っていた。
菅原が「令和の会」を立ち上げたのも、次の総理大臣を菅だと睨み、菅を担いでおけば閣僚のポストが自分のものになるという計算だ。
菅政権を待たずしてこの段階で菅原が初入閣を果たしたということは、それだけ菅の影響力・発言力がより一層大きくなっているということだ。菅政権の誕生がますます現実味を帯びてきた。
今回の組閣人事に仕込まれた菅の思惑とはいかなるものか。菅原の他には菅ルートでは安倍晋三とは距離を置く小泉進次郎が環境大臣として初入閣した。小泉進次郎の結婚記者会見を首相官邸で行わせたのも菅の手配によるものと指摘されている。
その他、河野太郎も外務大臣から防衛大臣として引き続き重用し、前述のように菅に近い河井克行も法務大臣に就任した。
今年4月、菅原はブログで菅についてこう書いている
「令和の発表で、一段と存在感が増したが、あくまで黒子に徹すると自らおっしゃっている。
まさに黒田官兵衛である。しかし、天の時、地の利、人の和は自然体で起こるのが、政治の世界の常であり、人間社会の摂理である。平成の次の令和に向けて、日々、国家国民のために菅長官のもとで懸命に汗を流していく」(
菅原一秀氏のブログより)