カジノ賛成を明言した横浜市議8名。その実名、発言、菅官房長官との繋がり

カジノ・IR誘致に賛成した横浜市議全員の発言内容

 そして、表1にあげた全ての質問の議事録を確認し、カジノ賛成を明言した横浜市議8名を絞り込み、その発言内容を整理したのが表2だ。みんなの党・平野和之市議(2015年の選挙で落選)を除く全員が自民党だ。
表2:林市長への質問中、カジノ・IR誘致に賛成した横浜市議全員の発言

表2:林市長への質問中、カジノ・IR誘致に賛成した横浜市議全員の発言

 以下、時系列で表2にあげた発言を列挙していく。誘致に賛成と明確に判断できる発言は赤字で記載する。 「私は今回の質問のために、先月末マカオに行き、カジノを含むIR、いわゆる統合型リゾートを視察し、そしてその規模の巨大さと華やかさに衝撃を受けて帰国をいたしました。(中略)将来の横浜のため、さまざまな可能性を検討していかなければなりませんが、特にカジノを含む統合型リゾートについて、海外の事例を見ても莫大な経済効果が見込めるわけで、積極的に検討すべきと考えております」 (2013/12/6 第4回定例会 自民党 渋谷健) 「カジノを含むIRについては、カジノの持つインパクトが非常に大きく、多くの方に間違った印象を抱かせているように感じます。シンガポールのマリーナベイ・サンズでも、全体の床面積57万平方メートルに占めるカジノ面積は1万5000平方メートル、わずか2.6%にすぎません。約4000億円以上の設備投資の多くは、残りの面積のホテル、商業のほかに、劇場、イベントプラザ、博物館など、年齢を問わず誰もが楽しめる施設建設に使われております。さらに、多くの雇用、経済波及効果も見込まれております。将来の魅力的な横浜を実現するために、IRの可能性を追求していかなければなりません。」 (2014/2/21 第1回定例会 自民党 梶村充) 「現段階においては、我々みんなの党横浜市会議員団は4名しかおりませんけれども、非常に肯定的な立場で捉えております。(中略)IRも横浜のさらなる魅力づくりにとっては非常に有効なツールだと思うのです。それで私も、実はロサンゼルスに長いこと滞在していたのです。ラスベガスが車で数時間ということで10回以上気軽に行っていたのです。それがカジノをしていたというよりは、そこのわくわくする雰囲気がすごく好きだったのです。」 (2014/3/20 予算第一特別委員会 みんなの党(現・自民)横山勇太朗) 「我が党はかねてより、IRについては、経済の活性化のみならず、本市が推進しているMICE機能強化の面からも重要なものであり、横浜市としても検討すべき事項であると言ってきました。(中略)開港から200年を描く思い切ったまちづくり、都心臨海部再生のかなめとして、IRの推進は欠かせませんし、横浜ならオールジャパンでIRを進めることができると考えています。他都市におくれることがないよう、IRの実現に向けた検討を進めていただくことを要望し、次の質問に移ります。」 (2014/9/9 第3回定例会 自民党 草間剛) 「その大規模公共事業の中で唯一財源が明確に得られ、負担を軽減させることができる事業にIRがあるのだろうとは思います。(中略)IR、統合型リゾートの議論が最近活発になっておりますが、まず、そのうちのコンテンツの一つにカジノがあると。そのカジノについての適正な理解を得ることは必要だと考えます。」 (2014/9/9 第3回定例会 みんなの党 平野和之) 「こういったIRのマリーナベイサンズのように、MICE施設が一体となっている市庁舎の間にIR施設がないと、むしろ無意味なのではないかと思うわけですが、この点についての見解を伺います。(中略)これは中がMICEの施設です。それから上が緑と、そして中のショッピングモールがあって、そしてカジノがあると、いろいろなこういう、雰囲気的には別に町の景観を崩すとも到底思えないわけですけれども、改めてカジノがない先進国というのはあるのかどうか確認します。」 (2014/9/26 決算第一特別委員会 みんなの党 平野和之) 「我が党では、かねてより観光戦略やMICE誘致に取り組んできており、IRについては、経済活性化や財政健全化が期待できる施策として、積極的に取り組むよう要望してきたところです。(中略)統合型リゾート、IRは、ホテルやショッピングモール、飲食店のほか、エンターテインメント施設や劇場など、多くの魅力的な施設の集合体で、その一部にカジノ施設があるわけですが、まだまだ市民に理解されていない部分が多いと感じています。より多くの方々に正しく理解していただけるよう、積極的に情報を発信していただくことを要望します。」 (2014/12/3 第4回定例会 自民党 鈴木太郎) 「このようにIRはMICE施設などを含む大規模な施設の整備、運営に民間の資金やノウハウなどを呼び込むことができ、民間の投資により魅力的な施設が生み出されるだけでなく、地域経済への波及効果も期待されます。一方、IRは、地方自治体の申請に基づき、国が指定した区域でのみ実現が可能とされており、当面全国で一、二カ所とも言われている中で、現在多くの自治体が検討を進めている状況であり、引き続き積極的に取り組んでいく必要があると考えます。」 (2015/2/24 第1回定例会 自民党 古川直季)

「カジノを見ながらビールで乾杯」発言も

「我が国は、間もなく国会に上程もされると聞いておりますけれども、問題を生じさせないための制度上の措置をしっかりした上でIRを導入する。その上で、導入されるIRはまさに観光の振興、地域の振興、産業振興にとって大変大きなプラス面があるということが期待をされ、さらに先ほど各地区で取り組みなどを質問してまいりましたけれども、都心臨海部の再生の起爆剤になるというふうに確信をいたしております。(中略)ぜひ、先ほど言った都心臨港地区の制限を外して、このコットンハーバーでみなとみらい、あるいは山下公園、新たに完成をするであろうIR、これらの世界に誇る横浜の夜景を見ながら、2020年のある日においしいビールで乾杯できることを心から夢見まして、質問を終わります。」 (2015/3/18 予算第一特別委員会 自民党 渋谷健) 「横浜は、開港以来、進取の精神で我が国の発展を牽引してきましたが、横浜にIRが設置されれば、横浜のみならず、首都圏、ひいては日本全体を引っ張っていけるはずです。観光MICEの分野は横浜がリーダーシップを持って引っ張る、そんな気概を持って取り組んでいただくことを要望して、次の質問に移ります。」 (2016/12/9 第4回定例会 自民党 伏見幸枝) 「私は、カジノを含むIR誘致については大賛成でございます。(中略)IRの誘致に限って言うと、訪日外国人の到着点となる羽田や成田と横浜の中間にIRを置かれた場合、非常に困ると私は考えております。夜の横浜を楽しんでいただけるよう、少しでも魅力を創出して武装していかなければなりません。そのためには、水面下であっても、水面上であろうが、少なくとも東京都や川崎市にカジノを取られないように交渉を進める策を講じていかなければならない。私はこれぐらい強い思いで賛成するところでございます。」 (2017/3/22 予算第一特別委員会 無所属(現・自民)横山勇太朗)  これら11個の発言からは、マカオやラスベガスのカジノに実際に行った体験、経済効果などを交えて、カジノ誘致に対する強い賛成の意思が感じられる。2015/3/18の渋谷健市議に至っては「新たに完成するIRで夜景を見ながら、おいしいビールで乾杯できることを心から夢見まして」と生々しい青写真を語っている。  ちなみにカジノ誘致賛成と最後に発言したのは、2017/3/22に「カジノを含むIR誘致に大賛成」と明言した横山勇太朗市議。当時は無所属だが、統一地方選挙の翌月にあたる2019年5月、自民党に入党している。その1つ前にカジノ誘致に賛成と発言したのは、2016/12/9の伏見幸枝市議。前年の選挙で初当選を果たしたばかりの新人だ。  ここからの一文は想像になるが、カジノ反対の市民の声が高まり、カジノ賛成とは発言しにくい時期、自民党入党への踏み絵あるいは新人議員の汚れ仕事として、この2人が利用されたのではないか。
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賛成市議と菅官房長官との繋がりは?
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