シャンプーを使わず、「湯シャン」をする人が増えている
昨今、「湯シャン」をする人が増えているという。髪をお湯だけで洗う人が増えているのだ。
そういう俺も、シャンプーを使わなくなって5~6年。実感として、お湯だけに変えた当初は髪がゴワゴワしたが、その後はすぐに滑らかになって、手ぐしもスッと通るようになった。シャンプーやリンスでのサラッという感じとは違う、自然なサラ~ッという感じだ。
空気中にあるタバコなどの臭いや汚れを、髪は吸収しやすい。シャンプーをしていると、その臭いとシャンプーが混じってさらに不自然な臭みになる。お湯だけで洗髪をしていると、それもなくなった。フケも確実に減った。
髪を洗うのも毎日ではない。「汚れたら」「汗をかいたら」「出かける前」だけだ。結果として毎日洗う日が続くこともあるし、数日洗わないこともある。
日本人が毎日髪を洗うようになったのは、ここ20年ほどのこと
そもそも日本人が髪を毎日洗うようになったのは、ここ20年ほどのこと。江戸期から戦後初期までは月に1~2回洗う程度だった。1960年ごろ、5日に1回くらい洗うようになった。シャンプーが登場したのは1965年ごろだ。1980年代になると、週に2~3回洗うようになった。誰もが毎日頭を洗うようになったのは1990年代半ばになってから。
俺(現在48歳)の子どもの頃を思い出すと、「髪なんて毎日洗わなくたっていい」と言われた覚えはあるが、「髪は毎日洗え」と言われたことはないように思う。思春期の10代後半から、周りを気にして毎日シャンプーをするようになったことは覚えている。
よく考えてみれば、各家庭に給湯器が普及し始めたのだって1970年台後半だ。それまでの長い時代、例えば冬の寒い朝にお湯で朝シャンするなんて、物理的にも作業的にも欲望的にもありえなかった。
シャンプーの成分として使われている界面活性剤や化学合成された香料・防腐剤・保存料・鉱物油などは、それぞれ添加する理由はあるにせよ、人体に良いとは言い切れない。危険性が言われているものもたくさんある。
清潔であることは良いことだが、洗いすぎによる問題も生じかねない。頭皮には常在菌がいる。悪玉菌が臭いの原因になるが、洗いすぎで善玉菌まで落としてしまうと、悪玉菌が優位に繁殖してむしろ臭ったりかゆみが出たりする。