「官邸と警察は関係ない」と言いながら筆者の取材を阻止
新潟選挙区の塚田一郎候補の応援演説をする小泉進次郎・厚生労働部会長(7月14日)
横田:菅官房長官から命令が来ているのですか。杉田さん(警察官僚出身の官房副長官兼内閣人事局長)と仲いいでしょう。べったりでしょう。
斉藤警察官:私は関係ない。
横田:上から言われたのでしょう。忖度したのでしょう。
斉藤警察官:(首を傾げる)
横田:「忖度発言の塚田さんを絶対に落選させない」ということで、菅さんや安倍さんから(取材妨害の)指示が来たのでしょう。
斉藤警察官:言っていること、おかしいですよ。
横田:じゃあ、取材させてくださいよ。
斉藤警察官:忖度なんか、関係ありません。
横田:こんな取材妨害をしているのは、忖度しているとしか思えないじゃないですか。忖度か、指示か。
斉藤警察官;我々は政治とは関係がありませんから。
横田:政治べったりじゃないか。自民党の”犬”ではないか。
斉藤警察官:それはあなたの考え方。
横田:“犬”みたいなことをやっているじゃないですか。
斉藤警察官:それは関係なくて。
横田:自民党国会議員、キーマンへの取材を延々と妨害をして、追加の質問をしようとして近づこうとしたら、こうやって妨害している。誰のおかげで、誰の税金で働いていると思っているの。国民のためではなくて、自民党のために働いているのではないですか。
斉藤警察官:(首を傾げる)
横田:忖度した塚田議員と同じじゃないの。
斉藤警察官:関係ないです。自民党は自民党、我々警察は警察。
横田:自民党、官邸から命令されたのでしょう。
斉藤警察官:新潟県警として全体の方針としてやっています。
横田:県警本部長が、官邸から指示を受けたのではないですか。
斉藤警察官:官邸と県警は関係がありません。
別の警察官:取材申し込みを事前にしているから入れています。している人はいいのです。
横田:(スポーツ紙の)女性記者がいるじゃないですか。
斉藤警察官:もともと取材申し込みをしているのでしょう。
横田:差別的な扱いだな。なんで(進次郎氏に)近づけた女性記者がいて、僕は。
斉藤警察官:あなたもさっき近づいて声をかけたじゃないか。
横田:さっきは近づけたけど、2回目ができないじゃないですか。
こんな露骨な取材妨害が許されていいのだろうか。警察は自民党の“雇われガードマン”として、記者の声かけ取材を阻止しているのではないか。
札幌市と滋賀県大津市では安倍首相の応援演説中にヤジを飛ばした一般市民が警察に身体を拘束されて排除された。その時、「法的根拠が不明瞭」といった疑問や批判が噴出したが、自民党議員に声をかける直撃取材する記者に対しても、警察は法的根拠なしの取材妨害(現場からの強制排除)を行っていたのだ。
街頭演説中にヤジを飛ばした聴衆にマイクを渡して対話をしようとしていた、れいわ新選組の山本代表とは対照的だ。
参院選は終わっても、選挙中に起きた一般市民や報道関係者に対する警察の対応については、法的根拠を質すとともに「表現の自由」や「報道の自由」や「国民の知る権利」を侵害するものではないかと徹底的に追及しなければならない。
<文・写真/横田一>