自民党が批判的ジャーナリストを名指しし、警察を動かして排除!?

菅官房長官、小泉進次郎氏の直撃取材にも警察官が介入

応援演説を行う菅官房長官

7月20日、秋田県男鹿市で応援演説を行う菅官房長官

 この時の取材妨害は未遂に終わったものの、安倍首相(総裁)率いる自民党本部閣僚遊説班の指示で、筆者への「危ないジャーナリスト」認定と取材妨害(排除)指令が出ていたのだ。  筆者は投開票前日(20日)にも、同じ中泉陣営スタッフ2人と秋田県警の警察官に取材妨害を受けていた。秋田県男鹿市で応援演説を終えた菅義偉官房長官を直撃して声をかけようとしたところ、両者に取り囲まれて接近を阻まれた。  隙間を見つけて包囲網を突破、猛ダッシュをして菅氏が乗った車に接近し、「イージス・アショアについて一言」と声を張り上げたが、菅官房長官は無言のまま走り去った。  筆者が取材妨害を受けたのは、秋田選挙区だけではない。“安倍麻生道路”(「下関北九州道路」)に関する忖度発言で国交副大臣を辞任した塚田一郎候補と、野党統一候補の打越さくら氏が激突をした新潟選挙区でも同じだった。     告示日(7月4日)と翌5日には、自民党副総裁の麻生財務大臣と安倍首相が相次いで新潟入り。翌々日(6日)には政権ナンバー2の菅官房長官、そしてラストサンデーの14日には、人気抜群の小泉進次郎・厚生労働部会長が駆けつけた。  その小泉氏を取材しようとした時のことだった。筆者はここでも、新潟県警から取材妨害を受けた。新潟県警の警察官が、新潟駅ホームで私の前に立ちはだかり、特急列車に乗り込む小泉進次郎・厚生部会長への接近を妨害したのだ。  応援演説で進次郎氏は、「一度失言をしたら再起できない社会でいいのか」と問題提起、“忖度発言”で苦戦する塚田候補に援護射撃をした。

多くの取材陣が進次郎氏を取材する中、筆者だけが排除

 筆者は演説後、特急列車で山形に向かう進次郎氏をエスカレーターに乗ったところで直撃した。 ――進次郎さん、塚田さんの発言、法律違反じゃないですか? 忖度発言は法律違反ですよね。公職選挙法違反、選挙中に嘘を言ったら「虚偽(事項公表罪)」ではないでしょうか? 小泉進次郎氏:(無言でこちらを振り返ることなく、そのままホームへ)  無回答だったので、すぐにエスカレーターに乗って追いかけ、再び直撃をしようとした時、新潟県警の警察官に取り囲まれて進路を塞がれた。  前方に秋田行きの特急が停まっていて、見送りのため進次郎氏を取り囲む人だかりが見えている。そこで「見送り」「見送り」と言って近づこうとするが、警察官数名が立ちはだかって通してくれない。多くの取材陣がその場で取材を行っているのに、筆者1人だけが排除されてしまったのだ。 「取材妨害ですよ」「取材中じゃないですか」と抗議しても、「お待ちください」などと言って新潟県警は筆者の接近を阻み続けた。
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記者排除の法的根拠を聴くも警察は答えられず
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