価値観や生活スタイルの違いによって、老後に必要なお金は変わってくる
俺は講演で
「1人暮らしだと10万円、2人暮らしだと15万円、子どもがいて20万円」と話すことが多いのだが、「嘘だ、無理に決まっている」と難しい顔で疑問視されることもある。
一方、先述した消費社会から一歩抜け出して暮らす人たちを前に話すと
「嘘だ、そんなにお金は要らないよ〜」と満面の笑顔で真逆のことを言われる。
両方が真実だ。
価値観と行動の違いである。俺の親は、郊外の住宅街で老老介護の2人暮らし。上記両方の価値観の真ん中くらいで暮らしている。預金はゼロで年金だけだが、多少の課題は絶えないものの、足るを知って笑顔で暮らしている。
よって俺の計算では、老後に2000万円は要らない。あるに越したことはないが、人生全般が充実すれば、どっちでもいい。
麻生太郎大臣には、「いちばん困っている人の視点」がない
答弁する麻生太郎・財務相兼金融担当相。6月14日、衆議院財務金融委員会(国会中継)より
麻生太郎大臣の迷走ぶりなどは、見ていて痛快だ。金融庁の報告書の賛否は別として、報告書が出た時の最初の
麻生大臣の高圧的な発言から問題が過熱炎上したわけだ。なのに責任を自らの下の組織に押しつけた物の言いようには呆れ果てる。
6月4日の会見で麻生大臣は「人生設計を考える時、100まで生きる前提で退職金って計算してみたことある? 普通の人、俺はないと思うね。それなりに設計し直さないと、自分なりにいろんなことを考えるということをやっていかないとダメだ」と発言。さらに6月7日には「さらに豊かな老後を送るために、より上手に資産形成をやるという話を申し上げている」と発言した。
前者は
国民を上から目線でバカにしている。たいていの普通の人だって、老後を心配して考えているに決まっているじゃないか。そして後者の発言は、
暮らしに余裕がなく資産形成など程遠い多くの全世代を無視して置き去りにしている。
“Think Small First”という言葉がある。そのまま訳せば「小さいものを最初に考える」。「
まず初めに、いちばん困っている人の視点や立場に立て」という意味だ。麻生大臣の発言は、大臣なのに“Think Small First”の視点が微塵も感じられない。