呂布:「その空気をリセットしたのが
高校生ラップ選手権で。キラキラしたスター高校生たちが出てきて、女のコのファンも増えたんだけど、それを終わらせたのは
ニガリ(MCニガリa.k.a赤い稲妻)の2連覇(第6回&第7回)だよね。完全に晋平太と同じことを今度はニガリがやってのけやがったみたいな」
正社員:「
俺、それは同意できないな(笑)」
呂布:「本当ですか? だって俺、高校生ラップ選手権の決勝の審査員を去年やったんだけど、マジで女のコがいなくなってて、『
これはニガリのせいだな』と」
正社員:「お客さんにでしょ? それは一時期バトルにハマった女のコがもう飽きたか、音源とか他の趣味に移っちゃったからじゃないですか」
呂布:「バトルのファンって、同じ人がずっと追っかけているというよりも、常に新規のコが入って新陳代謝することで維持されていると思うんですよね。
今はそこに新しい女のコが入ってこなくなりつつある」
正社員:「女子のファンを増やした点でも、
T-Pablow(第1回&第4回優勝)と
YZERR(第5回優勝)の存在はものすごくデカかかったと俺は思いますね」
呂布:「ほかにも
Rude-αとか
HIYADAMもいたからね。でも結局高校生ラップ選手権も、
ど根性ラッパーが勝つみたいな流れになって……」
正社員:「
やめなさいよ!」
呂布:「やはり、
その流れかって」
正社員:「それ、
俺は別にそうは思ってないんで」
呂布:「そうですか」
初期の『フリースタイルダンジョン』会場の雰囲気は……
HBO編集部:「この連載でも正社員さんは『
女のコの観客が少ないとシーンが盛り上がらない』とよく言っていますよね」
呂布:「スタープレイヤーが出てきて、そのスタープレイヤー目的の女のコのファンが増えて、その
女のコ目当てのギャル男が増えたらイベントは成功って俺聞いたことあるっす」
正社員:「それ、まさに
初期の『フリースタイルダンジョン』の会場ですよね」
呂布:「
よくわからないギャル男もいっぱいいましたね。脇にクラッチバッグ挟んでピチピチのTシャツ着てるみたいなヤツ」
正社員:「僕、それスゴく覚えてます」
呂布:「
今はまた童貞みたいな客しかいない。完全に戻ったね」
正社員:「
やめなさいよ! でも初期の『フリースタイルダンジョン』の会場の雰囲気は凄かったですよ。
DOTAMAがはじめてチャレンジャーとして出場して、
ACEが隠れモンスターとして出たとき(‘16年1〜2月放送)、僕は会場にいたんですけど、ウソだろってくらい会場にギャルがいて。ACEに声援送ってて。
T-Pablowを『かわいいー』とか言ってて。そういう人たちは、今は
レペゼン地球とか聞いているんじゃないですか」
呂布:「本当そうだろうね。YouTuberがたまにやるクラブイベントに行ったりとか。MCバトルの会場に女のコが多かったのも、“間違って”多く集まっていただけで、
バトルの世界は本来男ばかりなんですよ」
正社員:「そうですね。でも、これからもその
“間違い”を起こさなきゃいけないんですよ」
呂布:「
それはそうだね」
まだまだ続く、呂布カルマ☓MC正社員のトーク。さらに深くなる次回は近日公開予定!
<構成/古澤誠一郎>
【MC正社員】
戦極MCBATTLE主催。自らもラッパーとしてバトルに参戦していたが、運営を中心に活動するようになり、現在のフリースタイルブームの土台を築く
【呂布カルマ】
ヒップホップMC。愛知県名古屋市を拠点に活動。JET CITY PEOPLE代表。最新シングルは4月リリースの『SAMSAVANNA』。リリースや出演の情報はTwitterアカウント
@Yakamashiwaで配信中
戦極MCBATTLE主催。自らもラッパーとしてバトルに参戦していたが、運営を中心に活動するようになり、現在のフリースタイルブームの土台を築く