小学生がYoutuberとなって不登校宣言。我が子がこう言ったとき、親はどうすべきか?

子どもが学校をやめたいと言った時、親はどうすべきか

 もしみなさんの子どもがゆたぼん氏と同じような状況で、「学校へ行きたくない」と言い出したら、どうすべきなのでしょうか。  ゆたぼん氏は、Youtubeというお金を稼ぐツールを得ているから、一種の職業訓練になっているともいえるのですが、やはり親としては法律上の就学義務を果たすために、公教育を受けさせる努力はすべきです。  まずは子どもとしっかり話し合うべきだと思います。学校へ行きたくない理由が、学力低下による教師との関係が原因なのであれば、親は教師と話し合って、解決策を模索すべきです。我が子の学力低下が教師の指導力によるものなのか、それとも子どもに発達障害のようなものがあるのかなど、スクールカウンセラーや学校長を巻き込んで、見極めなければならないと思います。  もちろん、本人が嫌がっているのに、無理に就学させてもPTSDを受けたり、ストレスから自傷行為などを起こすような状況なら、近隣の学校へ転校させたり、フリースクールやサポート校への転校も検討すべきかと思います。ただ、フリースクールやサポート校は授業料が高いケースもありますから、経済状態が悪いのなら、せめて安価な学習塾など、国語や算数などの一部の学習を補助してもらうくらいの学習機会を検討すべきです。  不登校の問題は、どうしても学力が低下してしまうことにあります。児童が成長し、学びの必要性を感じ、心機一転して学ぼうと思っても、そもそも基礎学力が低いと学ぶモチベーションを維持できません。その結果、何をやっても、どこへ行っても何もできない状況に陥ってしまうのです。そして企業などは、学習経験のしっかりした人の方が、より多くの仕事を正確かつ短時間にこなすことができるという経験則を持っているため、一定の学歴を持っている人の方が採用されやすいのです。つまり、学校へ行かないとか、学習経験を積まないと、将来の選択肢の幅が狭くなってしまうのです。  自殺するくらいなら学校へは行かない方がいい。自分の好きなことで生きていきたい。  この言葉は一理あります。  でも、フランスの哲学者「ヴォルテール」は『その年齢の知恵を持たない者は、その年齢のすべての困苦を持つ』と述べたように、皆が学んでいることを自分だけが学んでいないことによって、様々な問題が生じます。こうしたリスクを理解した上で、どの道をどう選ぶかは、子どもと親の話し合いで決めていくべきかと思います。 <文/松本肇 Twitter ID:@matsuhaji> まつもとはじめ●教育ジャーナリスト&教育評論家。
<Twitter ID:@matsuhaji> まつもとはじめ●教育ジャーナリスト&教育評論家。有限会社トライアルコーポレーション代表取締役。神奈川大学法学部卒。神奈川大学大学院博士前期課程修了(民事訴訟法)。放送大学教養学部の全7専攻・コースを卒業し名誉学生。独立行政法人大学改革支援・学位授与機構で学士(法学、社会科学、教育学)を授与される。 著書:『短大・専門学校卒ナースが簡単に看護大学卒になれる本』(エール出版社)、『中卒・中退・不登校 誰でもイキナリ大学生』『社会人大学院生のススメ』(オクムラ書店) 2008年、インターネット画像の著作権事件「スメルゲット事件」の本人訴訟原告で勝訴し、著作権法判例百選に掲載。 近年はバイキング(フジテレビ)、ワイドスクランブル・モーニングショー(テレビ朝日)、アベマプライム(アベマTV)などに教育問題の専門家として出演
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