ギャンブル依存症対策の基本計画が明らかに。ほぼ対応済みのパチンコ業界だが唯一の難所は「店内ATM撤去」か

業界のアキレス腱はATMの撤去か

 しかし一点。  基本計画の中に示されている「ホール内のATMの撤去」については、パチンコ業界側も歯切れが悪い。  そもそも、ホール内のATMの設置は、ホール企業と設置企業の個社間の契約により設置されているものであり、その契約が合法であるならば、業界団体としても強制的な撤去を「決定」する訳にはいかない。  全日遊連幹部も、ホール内に設置されているATMは、引き出し金額の上限が決められており一定の依存対策が施されていると同時に、ATMの集金機能により強盗犯罪等の防止の役割も果たしている事を強調、従業員のリスクを伴う「指導」は組合としても難しいと話している。  全日遊連と同じく、パチンコ業界の主要団体でもある日本遊技関連事業協会(日遊協)でも「まずは行政側との話し合いが必要」であるとし、また「現時点ではこれ以上、(ATMの設置が)広がらないようにしないといけない」と、こちらも言葉を濁している。  パチンコホールにおけるATMの設置についての問題点は、過去のHBO記事でも紹介したが、このホール内ATM設置問題は、ユーザーのギャンブル依存症対策の実効性よりも、社会からの風当たりの標的となるかも知れない。  多くの依存対策に尽力してきたパチンコ業界であるが、このATM問題が業界が信を失うアキレス腱になりかねない。 <文・安達 夕 @yuu_adachi
Twitter:@yuu_adachi
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