疑惑の宮崎早野論文を報じた朝日新聞に看過できない「改ざん」。不誠実な「訂正」は許されない
データ不正提供疑惑・計算ミス発覚の個人被曝線量論文。早野教授は研究者として真摯な対応を
●宮崎早野論文を、「削除はするが問題はない」とした放射線審議会の異常さ
●黒川名誉教授緊急寄稿。疑惑の被ばく線量論文著者、早野氏による「見解」の嘘と作為を正す
この論文の疑惑について、朝日新聞は2019年1月8日付(紙面では1月9日朝刊)の『被曝線量過小に評価、論文修正へ 実際は3倍「意図的でない」 早野龍五・東大名誉教授ら』と題する記事を掲載した。
しかし、2月16日に朝日新聞の紙面とディジタル版にこの記事の訂正記事が載り、訂正後の記事を読んだところ看過できない問題を見つけた。
筆者自身もコメントを使われている記事内で、「記事の改ざん」とも言えるかのようなことが行われていたのである。
朝日新聞の紙面とディジタル版には、訂正記事として以下のような文言が掲載されていた。(参照:訂正して、おわびします)以下、この訂正記事を「訂正して、おわびします」と表記する。
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訂正して、おわびします
1月9日配信の記事の中で、早野龍五・東大名誉教授の談話に「(一般人の線量の上限と規定されている)年平均1ミリシーベルトを超えないレベルに収まると」とありますが、「年平均」は誤りでした。国際放射線防護委員会は、被曝限度や参考レベルを1年単位で定めており、原発事故からの復旧期の被曝目安は、一般市民で年1~20ミリ、長期的には年1ミリを目指すとしています。早野氏に改めて確認したところ、「避難指示が出されなかった地域では、長期で見れば年1ミリを超えないレベルに収まっているはずだ」という認識でした。
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これを受けて訂正が入る前の記事で
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早野氏は「意図的でなかった」としている。
そのうえで、誤りを修正しても「(一般人の線量の上限と規定されている)年平均1ミリシーベルトを超えないレベルに収まると考えている」としている。
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と書かれていた箇所が、訂正後の朝日新聞ディジタル版では
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早野氏は「意図的でなかった」としている。
そのうえで、誤りを修正しても「避難指示が出されなかった地域では、長期で見れば年1ミリシーベルトを超えないレベルに収まっているはずだ」としている。
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と何の注釈もなく置き換られてる。(引用部太字は筆者)(参照:市民の被曝線量、3分の1に過小評価 東大名誉教授論文-朝日新聞 )
上に示した「訂正して、おわびします」では
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早野氏に改めて確認したところ、「避難指示が出されなかった地域では、長期で見れば年1ミリを超えないレベルに収まっているはずだ」という認識でした。
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とだけ書かれており、このように記事本文まで訂正するとは明記されていない。それにもかかわらず、1月8日の記事中の早野氏の発言を、改めて確認したとされる早野氏の認識に、ことわりもなく置き換えている。
筆者は、以下に述べる理由により、これは記事の改竄であり、朝日新聞が報道機関としての役割を放棄したといわれても仕方がないことであると考える。
データの提供について同意していない市民のデータを使っており、また、二つの論文のうちの一つには図に不自然な点がみられ、線量を過小評価するための捏造(ねつぞう)が疑われることで、東京大学および福島県立医科大学に研究不正の申立が伊達市民によってなされた、早野龍五・東京大名誉教授らが英科学誌に発表した2本の論文。
<参照>
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書き換えられた早野コメント
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