中国経済もデフレ開始か? お金を使わなくなり始めた中国の若者たち

 春節(旧正月)で爆買いする訪日中国人の姿が今年も注目されたが、本国では真逆の現象が起きている。経済が低迷期に突入し、デフレの懸念も出てきた中国の今をリポートする!

今、中国で大人気のチーズティーの店。週末になると3~4時間待ちになることもザラ

不況に備える中国若年層セコロジー生活

 急速な経済成長を背景に消費拡大が続いてきた中国だが、風向きが変わり始めた。米中摩擦が先行きに暗い影を落とし、GDPの伸び率も28年ぶりの低水準。さらに年初に李克強首相は「苦しい生活に備えよ」と述べ、経済失速を警告した。こうしたなか、庶民の間で、購入する財やサービスのグレードを下げ、節約に繋げる「消費降級」と呼ばれる動きが広がっている。

中国のGDP伸び率 図版/佐藤遥子

 その実態を調査すべく、取材班は現地へ飛んだ。まず訪れたのは広東省広州市の繁華街、一角に長蛇の列が続く一軒の店舗が。ここは全土100店舗以上を展開するカフェチェーン「喜茶」だ。同店の名物は中国茶や紅茶に泡状のチーズを浮かべた「チーズティー」なるドリンクで、若い女性を中心に人気が高い。この日は、注文するまで1時間、注文後に商品受け取りまで40分待ち。それでもまだマシなほうで、別の店舗では最長7時間待ちを記録し「並び屋」も横行しているというのだ。  短気でせっかちな中国人が、いったいどうしたというのか。前に並ぶ若い女性2人組に聞いた。 「友達と話しながら並ぶので苦にならない。1時間並んで、お茶を飲みながら1時間。300円で2時間楽しめればコスパはいい。それに有名店で撮った写真は、SNSにもアップできる。スタバだと一杯450円はするし、希少性もない。今さらフラペチーノの写真なんて自慢にもならないでしょ」  中国では今、喜茶のほか、日本でも人気のタピオカミルクティーやフルーツドリンクを出す店など国内発のカフェチェーンが若い女性を中心に人気を博している。  一方、スタバの中国での売り上げは昨年、進出20年で初めてとなる前年同期比2%減となった。実情を探るべく、深圳市内の店舗を訪ねるとまさかの満席。ただ、よく見るとテラス席に陣取る多くの人々の手元にはカップが見当たらない。その代わりに、持参した水筒に口をつけている人が目立つ。彼らは店では何も注文せず、席だけを利用しているのである。 「中国の飲食店は、何も注文せずに居座る客に対して意外と寛容なんです。スタバは無料でWi-Fiも使えるので、延々スマホゲームをする人も多い。出前アプリで別の店の食事を頼んでスタバまで配達させるツワモノもいます」(現地駐在の日本人女性・36歳)
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持ち込みが問題にならない中国
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