参院選の結果、共産党が協力した野党連合の結集の効果は限定的なものにとどまり、自民党が圧勝、単独で憲法改正発議を行える議席数を得た。すると参院選後のUNITEの演説内容は、参院選前にあれほど主張していた共産党批判を封印し
『憲法改正実現』一本にスライド、
完全に政権と同調する動きを見せた。
UNITEは2016年7月17日、「憲法改正実現」を掲げて、参院選後初となる街頭演説活動を全国9か所で行った。しかし予告されていた横浜駅前の演説は、筆者の直撃取材を避けるために場所と開始時刻を変更、そのつじつまを合わせるため演説終了後に公式FACEBOOKの内容が改ざんされた。
翌月、この時行われた桜木町駅前での街頭演説を取材した
保守系雑誌『SAPIO』2016年9月号にUNITEの小村代表のインタビュー記事が掲載された。その中に「UNITEを立ち上げた4人も全員が家庭連合の2世だ」との記述があった。それまで家庭連合つまり統一教会の2世信者の団体であることを秘匿していたUNITEの主要メンバーが初めて対外的に自分たちが2世信者であることを明かした。これは筆者の報道によってそう公表せざるを得なかったのであろう。小村はそんなことはおくびにも出さず、SAPIOの取材にそれまで自分たちが2世であることを隠していなかったように装った。
SNSで筆者をブロック、逃げるUNITE
その後、UNITEは10月16日に全国14か所で一斉演説を行った。UNITEサイドは筆者に虚偽の情報を伝え、演説の場所や時間などを知られないよう筆者のツイッターアカウントをブロックした。
一斉演説10日前、都内で演説を行っていた勝共連合本隊の丸山遊説隊長を直撃すると「ユナイトは僕も分かんないんですよ。呼ばれてないんですよ今のところ」と返答「国際勝共連合とUNITEは別組織」というシナリオに則った発言に終始した。
筆者の取材によって、統一教会の2世信者組織であることなど、実態の一部を知られてしまったUNITE。彼らはそれまで
「ハイ、何も隠すものもないので 笑」などとツイートし、余裕を見せていた。何も隠すものがないのであれば、筆者の取材を惧れる必要もないはずだ。UNITEサイドには、他にも隠しておきたいことがあるということになる。
UNITEの公式ツイッター、「何も隠すこともない」はずだったが・・・
一斉演説当日、UNITEは筆者の取材から逃れるためにツイッターを駆使し偽装工作を行った。演説終盤にツイートを流して遠隔地に筆者を誘き寄せようとしたり、既に演説が終わった場所からさも現在演説中であるかのような画像つきツイートを流した。筆者が取材に訪れる可能性が高い東京での演説については徹頭徹尾、演説の終了後または終了直前にツイート、筆者をメンバーに接触させないよう細心の注意を払い工作に励んだ。
翌17日、UNITEがFACEBOOKにUPした記事にはこう記載されていた。
「UNITEとして演説に立つすべてのメンバーが、勇気を振り絞り、時に手を震わせながら声を上げています。UNITEはこれからも声を上げ続け、勇気ある若者の代表であり続けたいと思います」
勇ましい言葉とは裏腹に、UNITEには筆者と対峙する「勇気」は持ち合わせていなかった。