西川口麻辣湯店主の駅前清掃活動、一周年を迎えて40人以上が清掃に参加

在日華人の近隣店舗・住民親子

近隣のお店、住民親子のご参加多数!

 2月の第一週土曜日である2日、前回記事で紹介した、西川口の「四川麻辣湯(マーラータン)」店主のAyaさん(来日12年)が主宰する清掃活動が、活動開始から1年、12回めを迎えた。  一人で始め、WeChatを通じて少しずつ認知されていった清掃活動。一周年を機に「西川口ピカピカ隊」と名称を決めることにしたという。
西川口駅西口

風も少ない快晴、掃除日和

 春節(旧正月。中国の「新年」)直前なので、近隣店舗も従業員が帰省している人も多かったものの、それでも主宰の四川麻辣湯以外に中国東北料理の「橋頭 私家菜」、同じく東北料理の「滕記鉄鍋炖」、台湾タピオカ専門店のカフェ「新时沏(シンジキ))」、東口からしゃぶしゃぶ&寿司の「牛魔王」らの店舗従業員やその家族、西川口住民、そして隣駅・埼玉県内・東京・そして成田市までと各地から在日華人や留学生が集まった。また、前回記事を見て参加した日本人、飛び入り参加の日本人大学生に筆者とHBOの編集者など総勢40人近くが集まり、実に活気に満ちた回となった。  青島ビールの輸入を行う会社の方も、「前回の記事を読んで来たのです」とゴミ拾いにご参加してくれたり、テレビ局の取材もいらして今回の活動の模様が近く放送されることにもなり、この活動が広がりを見せていることを感じる。  今回は、一周年を記念して、通常の清掃活動の前に、拾いゴミのなかで常に多いタバコの吸い殻撲滅を祈念して作られた携帯灰皿を配布した。「ピカちゃん」と名付けられたかわいいパンダが描かれたデザインも奏功し、この日のために準備された1,000個は、予定していたタイムスケジュールよりはるかに早く配り終えた。  その後、休憩を挟み、ゴミ拾い活動を開始。  まずは四川マーラータン周辺から駅西口一帯を、のちに東口一帯へ。拾っていると、すれ違う人から「ありがとう」「ご苦労さま」と声をかけていただくことも時折。開始当初を振り返るAyaさん、開始後しばらくの回はずっと独りきり。ゴミを拾い歩くその背中に向かって飛んできた言葉は「あの人何やってるんだろう、怪しい」それでもくじけずにコツコツ継続し迎えたこの日。本当に嬉しい、と喜びひとしおだと語っていた。

日本人の参加者の姿も

 今までと大きな変化があったとすれば、12月の当サイトの記事以降、日本人の参加者が増えた点だ。1月には、あの記事を見たという30代男性が単身参加。今回も「あの記事を読んで来たのです」と、中華料理のお供でお馴染みの青島ビールの輸入を行う池光エンタープライズの社員男性が活動に共感して参加したり、テレビ局の番組制作者の目にも留まり、活動中に密着取材と撮影が行なわれた。Ayaさんの行動力もあり、この活動が目覚ましい広がりを見せていることを感じさせる。  また、偶然、四川麻辣湯で食事をしていた大学生も参加した。  聞けば、多国籍化しつつある街の現状を研究課題としており初めて西川口を歩いてみたところだったという。この活動を店内チラシで知り、席から外へ目をやったらまさにそれが開催中ではないか、ということで急遽一緒にゴミ拾いに参加。  日中混成の仲間たちとともに活動を終えた後の感想を尋ねると「今日来るまで、中国人が増えつつある西川口のイメージはというと、ディープ、治安が悪い、危険を感じる街というものであり、自身の周りでも中国人と知り合う機会が無かったため、そのイメージが変わる契機も無かった。ところが参加することができ、その契機が今日となり、中国人や西川口へのネガティブなイメージが変わった。これからも多国籍化する街の研究をしっかり継続し、大学でも今日のことを報告したい」と語った。
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「子供の教育にもいい」と中国人参加者から喜びの声
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●麻辣湯「四川麻辣湯 西川口店 」:埼玉県川口市西川口1-22-1
●中国東北菜「橋頭 私家菜」: 埼玉県川口市西川口1-25-3 1F
●中国東北菜「滕記鉄鍋炖」:埼玉県川口市西川口1-24-2 B1F
●タピオカカフェ「新时沏(シンジキ)」:埼玉県川口市西川口1-3-14
●しゃぶしゃぶ&寿司「牛魔王」:埼玉県川口市並木3-13-4 ダイトービル2F