ハードルが高い商品先物。「貴金属」の狙い目は「金」と「プラチナ」?

金

海外では身近な投資対象である金。各国の中央銀行も売買しており、まさに先物取引の王道商品だ 写真/AFP=時事

 ハイリターンが期待できるというイメージこそあれど、意外とチャレンジしたことのない人も多い商品先物取引。その基本的な仕組みと、商品タイプ別の投資ポイントを一挙紹介する!

金はアメリカの利上げを要注視! 歴史的安値のプラチナは今が買い時

 貴金属への先物投資といえば、なんといっても王道は金! 商品相場に詳しいコモディティーインテリジェンス代表の近藤雅世氏は、金投資の魅力をこう解説する。 「日本では金投資はあまり一般的ではありませんが、欧米や中国、インドでは通貨以上に信頼されており、少し貯蓄ができると金に換えようとする動きもみられます。銀行の窓口で金の売買ができる国もあります」  海外では身近な投資対象である金は鉱物資源で、その量には限りがある。すでに新規の生産量はピークを打っているという見方が強い。 「採掘コストが採算に見合う金鉱山はほぼ掘り尽くされてしまっており、もう地底深くにしか残っていません。リサイクルという手はあるものの、新しく採掘する金は今後減少するため、供給は細っていくと見込まれます」  金は金融商品としての性格も強いため、価格を動かす要因は現物としての金の需給だけではない。近藤氏は米ドルとの関係も重要だと語る。 「ドル建ての金価格はドルが高くなると相対的に金価格は下がる傾向が昨年から今年にかけて見られます。’15年末から米国では利上げが始まり、それまで0.125%だったドル金利が’18年9月末に2.125%まで上昇しています。’18年の12月と’19年3回の利上げが予想されますが、’19年9月以降にはEUが利上げする可能性があり、そうなればユーロ高が見込まれてドル安になる可能性が高いと言えましょう。’19年半ばまでは、金価格は安いかもしれませんが、その後上昇する可能性があります」  長期で投資するなら、それまでの期間が当面の買い場になる可能性も! 「米ドルが安くなるほど金は上がりやすい。ドル円相場を参考にして投資タイミングを見極め、ドル高のうちに買っておくのがいいでしょう」
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金への投資方法はさまざま
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