写真は2012年に新党「国民の生活が第一」の小沢一郎代表(左)をあいさつに訪れ、握手する日本維新の会の橋下徹代表
先日、橋下徹と小沢一郎が東京都内のフランス料理店で一緒に飯を食ったそうな(参照:
橋下徹氏、小沢一郎代表と会食 前原誠司氏がつなぐ? 朝日新聞2018年11月7日)。
これは何を意味するのか?
会食を仲介したのが国民民主党の前原誠司だから、わかりやすすぎる。前回の衆院選(2017年10月)に引き続き、2019年の参院選に向けて
野党分断工作が始まったということだ。報道によると、非自民勢力の結集について意見交換が行われたというが、与党を利する謀略である可能性が高い。
別に私が穿った見方をしているわけではない。実際、前原には立派な「実績」がある。
先の衆院選前に前原は「いかなる手段を使っても安倍政権を倒す」「『第二の自民党にはならず、政権交代を目指す』と言っている部分では同じ方向を向いている」などと述べ、
小池百合子率いる希望の党へ接近。準備が進んでいた
野党共闘を見事にぶち壊した。
さらには合流を表明し、民進党で立候補を予定していた人は
希望、立憲民主党、無所属に三分裂した。野党共闘どころか
野党第一党まで破壊したわけだ。
安倍政権としては前原に感謝してもしきれないだろう。自民党幹部は「最大の功労者」「足を向けて寝られない」「最大野党の民進党を解体して野党連合を破壊し、再び自民党長期政権の道筋をつけてくれた」と前原を絶賛している(『週刊ポスト』2017年11月3日号)。
小池・前原と「棲み分けの密約」(橋下徹公式メールマガジン)を交わそうとしていた橋下も「小池さん、前原さんは棲み分けどころか、民進党解体って、やり過ぎーー!!(笑)」「いやー、これは凄かった。ここまで小池さんと前原さんがやるとは全く思っていなかった」と大興奮。
このとき野党四党共闘をきちんとやっていれば、安倍の暴走をある程度抑えることができたのだ。
日経新聞は2014年の衆院選で野党が候補者を一本化した場合、60選挙区で逆転勝利していたと指摘(2016年12月2日)。
実際、2016年7月の参院選では、32の1人区で野党統一候補が11勝と成果を上げている。
2017年の衆院選後には朝日新聞が「野党一本化なら63選挙区で勝敗逆転」と報道。
「複数の野党候補(野党系無所属を含む)が競合した『野党分裂型』226選挙区のうち、約8割の183選挙区で与党候補が勝利をおさめた。一方、朝日新聞が各野党候補の得票を単純合算して試算したところ、このうち3割超の63選挙区で勝敗が逆転する結果となり、野党の分散が与党側に有利に働いたことがうかがえる」(2017年10月23日)
前原は仲間を裏切ったばかりではなく、日本国民に大きな損害を与えたのだ。
前原の狙いは、「非自民・非共産」勢力の構築とのことだが、その実態は平成の30年間にわたり日本を壊してきた
ポンコツ議員の再結集である。