それにしても、誰がなんのためにこのようなことをしているのか?
早い段階でネットを調べてわかっていたのは、
私以外にもこうした出来事に遭遇しているひとがそれなりにいることだった。その場合、すべてのケースでギフト発送だ。Amazonは、住所と名前がわかっていれば誰にでも送ることができる。お歳暮やお中元をAmazonで送る人も現在は少なくないだろう。
知り合いへのギフトの場合は送り状も添えるものだが、私のところに来たものに送り状はなく、送り主はAmazon。誰が送っているのかわからない。
だが、一度だけ送り状が入っていたこともある。そこにはこうあった。
贈り主 松谷創一郎:
ギフトをお楽しみください! 松谷創一郎
俺自身かい! SFか!
自分で自分に贈ったことになっている。なお、繰り返すがここまでAmazonやクレジットカードの不正利用の形跡はひとつも見られない。
そこで、やっと重い腰を上げてAmazonのカスタマーサービスに電話すると、いくつかの情報を得ることができた。
まず、ハッキリしたことはわからないが、このようなケースはやはりギフト発送である可能性が高いようだ。
代引きであれば送りつけ詐欺の可能性も考えられるが、商品を送っているだけなのでその可能性は低い。
送り状の宛先については、Amazonのニックネームを私の名前にしているようだ。ニックネームは、誰でも簡単に変更することができるからだ。さすがに同姓同名は考えづらい。
Amazonには、送り主の素性を教えてもらうことはできるかと訊いてみたが、それはできないとのことだった。個人情報の管理がその理由だが、送り主は私の個人情報を得ていてそれを勝手に利用しているわけで、解せないといえば解せない。ただ、Amazonの対応は仕方ないとも言える。相手が私の個人情報をAmazonで得た証拠はないし、Amazon側がそれを知る由もないからだ。
問題は、匿名の発送を許すこのギフト発送の仕組みにある。相手が嫌いなものを意図的に送りつけるような嫌がらせも可能と言えば可能だ(確実に足がつくけど)。
また、私のようなケースが他にもあるかと訊いてみたところ、やはりそれなりにあるという。そして、送りつけ詐欺などについても対策は講じているという。なお、非常に困るようなケースでは消費者生活センターを案内しているという。
以上のように、Amazonに連絡してもギフト発送以外のはっきりしたことはわからなかった。