強行採決濃厚な「水道民営化」法案について改めて考えてみた

選挙ウォッチャーの分析&考察

 ものすごくざっくりではありますが、水道民営化というのは百害あって一利なしと言えることがおわかりでしょう。  水道が民営化されたら水道代が安くなるんだという人がいますが、そんなことは絶対にあり得ません。民間企業が赤字になっても料金を据え置きにするということがあり得ないので、何をどう考えても「水道料金を変えません」なんていう契約を結ぶはずがないのです。  契約時は他の企業より優位に立つために限界まで水道代を下げたプレゼンをするかもしれませんが、それがいつまでも続くとは限りません。水道は一般のビジネスとは異なり、絶対に使わないことがないのです。手を洗うにしても、トイレでウンコするにしても、一般の家庭から企業に至るまで、水を使わないということは絶対にない。つまり、努力をしなくても必ず売上が期待できるビジネスなのです。  お客さんを集める必要がないので、あとは金額面で折り合いをつけるだけ。水道というインフラをビジネスにしようという人たちが「善意」で運営すると思ったら大間違いです。そんな善意があるんだったら、介護や保育といった人が足りなくて困っているようなビジネスをしているはずで、もともと自治体がやっていて、どう考えても自治体がやっていた方がいいものを横から入って儲けようとする人たちなのですから、利益のことしか考えていないに決まっています。  僕たちも騙されちゃいけないのです。ただでも「国民のために使う」と言いながら消費税を上げられ、何に使うのかと思ったら東京五輪の無駄なスタジアムを作って「レガシー」とか言ってやがるのです。貧富の差はどんどん広がり、庶民の生活は確実に苦しくなっているのに、そこに水道民営化をぶち込み、さらに水道代を高くしてしまうのですから、そろそろみんなが政治のことを考え始めないと、僕たちはこの国の政治家たちに殺されてしまうことになるかもしれません。そうならないために、自分たちの手でこの国を変えていかなければなりません。その自分たちの手とは、本当は「選挙」なのです。 <取材・文/選挙ウォッチャーちだい(Twitter ID:@chidaisan)> ちだい●選挙ウォッチャーとして日本中の選挙を追いかけ、取材活動を行う。選挙ごとに「どんな選挙だったのか」を振り返るとともに、そこで得た選挙戦略のノウハウなどをTwitterやnote「チダイズム」を中心に公開中。立候補する方、当選させたい議員がいる方は、すべてのレポートが必見。
選挙ウォッチャーとして日本中の選挙を追いかけ、取材しています。選挙ごとに「どんな選挙だったのか」を振り返るとともに、そこで得た選挙戦略のノウハウなどを「チダイズム」にて公開中
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