なぜ中年男性が責任者の企業インスタはたいていダサくなってしまうのか?

デジタルマーケティングが失敗する理由

 だいたいのデジタルマーケティングが失敗するプロセスは共通しています。典型的なのは下記のような例です。 1)なんとなくやらなきゃ、と感じて始める 2)担当者に知見がなく、運用コストをかけたくないので外部委託(か部下に丸投げ)する 3)数字だけ見るからPDCAが回せない 4)改善しないので永遠に成果が上がらない  要は、「成果を評価する人が、そのプラットフォームに対する知見があるかないか」ということが重要なわけです。  冒頭で言った「なぜ失敗したかわからない(他アカウントとの違いがわからない)」のは、結構致命的です。  例えば、「他のアカウントと比べて写真にセンスがない」とか「投稿の頻度が少ない」とか、それがわかっているならいいのですが、何もわかっていないということはおそらくそれを判断するセンスが無いというわけなので、潔く自分には判断力がないと認めたほうがいいでしょう。

集計された数字だけ見ているとダメになる

「一人の死は悲劇であるが百万人の死は統計的な事実である」という有名な言葉があります。  重要なことは、丸まった数字をもらっても、その実態は明らかにならないということです。  それぞれの投稿にどのような意味があるか、価値があるかを把握しなければいけません。 良い例 <良い例> 若手従業員(実はフォロワー2000人)「この写真は、色合いが駄目ですね。もう少し明度を下げないと美味しそうに見えません」 若手従業員(実はフォロワー2000人)「この投稿は、人物の占める割合が大きすぎます。もう少し背景を目立たせたほうがいいです」 従業員・経営者「なるほど……」 悪い例<悪い例> 従業員「先週はフォロワーが+10人、エンゲージメント率は前週比でマイナス4%、リンククリックは……」 経営者「なるほど(わかってない)」  このように、SNSマーケティングの結果をフォロワー数エンゲージメント率の数字だけで判断する、というのは間違っています。  Instagramというマーケット(市場)において商品となるのは写真や投稿そのものです。  どれほど自社製品に対して理解があっても、そのプラットフォームに対して知見がなければ、正しい評価はできません。  数字だけ見ても、本当にその投稿が正しい方向性に向かっているかどうか、判断することはできません。
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「わかってない」奴が成否を評価する悲劇
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