「ドン・キホーテ」、居抜き出店戦略の結果生まれるさまざまな外観

小売店以外の定番は「パチンコ店跡」

 大型量販店などの小売店と並ぶ、もう1つの定番居抜き店舗が「パチンコ店跡」だ。  近年、パチンコ店は娯楽の多様化や規制強化により急激に数を減らしつつあるが、駅前・郊外問わず好立地店が多いことや、一定以上の売場面積を確保できるということもあって、ドンキにとっては格好の「居住先」になっている。  なかでも代表的なのが、パチンコ大手・マルハンの都心旗艦店跡に出店することで店舗規模を大きく拡大した「MEGAドン・キホーテ渋谷本店」(渋谷店)だ。

かつてマルハンの都心旗艦店であったMEGAドン・キホーテ渋谷店。東京都心随一の規模を誇る「総合スーパー」だ

今年5月に開店したばかりのドン・キホーテ新大久保店もパチンコ店跡への出店だ。店頭には韓国語も

 その一方で、パチンコ店とドンキの売場が一つの建物に同居する「共存型店舗」(新宿東南口店、新世界店、丸亀店など)も居抜き・新築を含め相当数存在しており、ドンキとパチンコ店というアミューズメント要素がある両者の「親和性の高さ」も感じさせられる。  こうした共存型店舗は、元々のパチンコ店の面積を縮小するかたちでドンキが出店、結果的に「両店共存」となった例もあるのが面白い。

なにかとドンキと縁の深いパチンコ店。こうした共存店舗も少なくない(ドン・キホーテ新宿東南口店)

 なお、今年2月に施行された改正風営法の出玉規制は、パチンコ業界により一層の打撃を与えている。今後はパチンコ店の閉店ラッシュが見込まれるだけに、より一層「娯楽の殿堂」が「驚安の殿堂」へと変わっていくかもしれない。  このほか、ドンキは1970年代に「娯楽の王様」であったボウリング場跡や、少子高齢化により閉店する店舗が増えつつあるロードサイドタイプのゲームセンター跡の建物に出店する例も多く、「建物さえあれば何にでも対応する」ところが同社らしい。
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