「ドン・キホーテ」、居抜き出店戦略の結果生まれるさまざまな外観

大規模百貨店跡は再利用の難度も高い

 このほかにも、2007年に買収したホームセンター「ドイト」跡(春日部店、厚木店など)、衣料品スーパー「ファッションセンターしまむら」跡(驚安堂松伏店)、ドラッグストア「セイジョー」跡(驚安堂福生店)、大阪地盤の大型スポーツ用品店「タカハシ」跡(道頓堀御堂筋店)など、古今東西様々なジャンルの大型量販店・専門店跡がドンキへと姿を変えている。  ドンキはこのところ駅前・繁華街立地の小型店「ピカソ」の出店ペースも上げているほか、今年からはファミリーマートと提携したコンビニ店舗「ファミリーマート Produced by ドンキ」の展開も開始しており、今後はあっと驚くような小さいサイズの店舗跡まで「ドンキ化」していく可能性もあろう。

「スポーツタカハシ」跡に出店するドン・キホーテ道頓堀御堂筋店。同店は近隣に移転したが、店舗のシンボルだった「フェアープレイ像」によってかつてを忍ぶことができる

 もちろん、量販店跡よりも数は少ないものの、百貨店やファッションビル跡へのドンキ出店も見られる。例えば「大丸」跡に出店した和歌山店、「西武」跡に出店した宇都宮店(長崎屋が運営)、名鉄系ファッションビル「メルサ」跡に出店した岐阜柳ヶ瀬店などがそれにあたる。

ファッションビルだった名残が垣間見えるドン・キホーテ岐阜柳ヶ瀬店。当時のシンボル像が残る豪華なエントランスも「不夜城」へと様変わりした

 都内だと、「建物がかなり古めかしいドンキ」として有名な亀戸駅前店はかつて存在した月賦百貨店「丸興」(クレジットカード「OMCカード」「セディナ」の前身企業)の本店跡を再活用した、築50年を超えるアンティーク物件だ。

亀戸駅前のドンキはかつて存在した「丸興」の本店跡。屋号は消滅し、建物も築50年を超えるがまだまだ現役だ

 さらにこうした「居抜き」のコラボのような店舗もあり、広島八丁堀店は総合スーパー「イズミ」(ゆめタウン)の1号店から「ファッションビル」→「家電量販店」を経てドンキへとたどり着いた建物だ。  しかし、百貨店やファッションビルは元々の規模が大きいため量販店跡よりも再活用は難しいようで、大型テナントを導入することで穴埋めしているところも少なくない。

総合スーパー、ファッションビル、家電量販店を経てドンキとなったドン・キホーテ広島八丁堀店。ゲームセンターなどのテナントも入居する。店内にはかつての名残も

次のページ 
パチンコ店跡の場合は共存も
1
2
3
4