メガバンクの方針も改定されているが、まだ不十分との評価
メガバンク3行は、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーにも多額の投融資を行っており、環境に悪いことばかりをしているわけでもない。だが、そうしたポジティブな面も、石炭火力発電等の化石燃料関連事業、森林破壊リスクの高い事業への投融資というネガティブな面によって帳消しにされ、国際社会の中で「環境への意識が遅れている」と評価され、ビジネス上のリスクにもなり得るのだ。
これらの問題は、メガバンクの預金者にとっても無関係ではない。メガバンク側に預金者としての声を伝え、改善が見られないならば、より「エコな銀行」に乗り換えるというのもあり得る選択肢だろう。
前出の350.org Japanは、「化石燃料・原発関連企業への投融資が確認されなかった金融機関45社」を公表している(https://letsdivest.jp/pdf/45-banks-list-LATEST.pdf)。問われているのは、預金者の意識でもあるのだ。
<取材・文・撮影/志葉玲>
フリージャーナリスト。パレスチナやイラクなど紛争地での現地取材のほか、原発や自然エネルギー、米軍基地、貧困・格差など、幅広い分野を取材。週刊誌や新聞、通信社などに寄稿、テレビ局に映像を提供。著書に『
たたかう! ジャーナリスト宣言』(社会批評社)、共編著に『
原発依存国家』(扶桑社新書)、『
イラク戦争を検証するための20の論点』(合同ブックレット)など。「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」事務局長