地球環境を破壊する「無責任銀行ジャパン大賞2018」に三菱UFJ! みずほ・三井住友も温暖化や森林破壊を加速

大規模な伐採や森林火災による熱帯林破壊も深刻

深刻な森林破壊

大規模な森林火災での大気汚染も深刻だ

 日本のメガバンクが投融資する温暖化を悪化させる事業は、石炭などの化石燃料関連事業だけではない。パーム油や、紙パルプ、木材のためのプランテーションによる森林破壊が、東南アジアで深刻なものとなっている。  環境NGO「レインフォレスト・アクション・ネットワーク」(RAN)のシニアキャンペーナー、ハナ・ハイネケン氏は「熱帯林伐採やそれに伴う森林火災、膨大な炭素をためこむ泥炭地の破壊は、温暖化を促進させています」と訴える。 「しかし、熱帯林を保護すること、つまりCO2の排出源ではなく吸収源にすることで、トータルのCO2排出量を最大で3割減らすことができます」(同)  貴重な生態系である熱帯林の保護は、地球温暖化防止の上でも重要だが、東南アジアでの森林破壊に関わる企業への国際的な資金貸出・引受は、各国の中で日本が最も多い。2010~2016年の間での森林破壊企業へ資金貸出・引受を行っている世界の金融機関のワースト15企業のうち、貸出・引受額で第3位のみずほFG、第7位のMUFGを大きく上回って、SMBCは第1位。 「2016年取引概算額で、東南アジアでの森林破壊のリスクのある産品(紙パルプ、パーム油、木材等)に、約4億ドルを資金貸出・引受しています」(ハイネケン氏)  RANは、SMBCの株主総会の会場前で株主に森林保全の対策強化に取り組むようアピールした。またSMBC株主総会の前日・前々日の2日間で集中的に集めた、森林破壊と人権侵害を起こす企業への融資を即時停止するよう求める署名1万9581人分をSMBCに提出した。  

各メガバンクとも「小さな前進」はしているものの、まだまだ不十分

 石炭火力発電に傾倒し「温暖化を悪化させている」との批判を浴びる日本のメガバンク3行は今年5月から6月にかけ、相次いで新たな方針を示した。 三井住友●MUFG「新規与信に対し、各国ならび国際的状況を十分認識した上でファイナンスの可否を慎重に検討する」 ●みずほFG「温室効果ガス排出に関わる技術が、同等のエネルギー効率を持つ実行可能な代替技術と比較しても、経済的合理性を踏まえて適切な選択肢であるか等を憲章した上で与信判断を行う」 ●SMBC「石炭火力発電への新規融資は超々臨界およびそれ以上の高効率の案件に融資を限定している」「日本政府・国際開発機関などの支援が確認できる場合においては、上記方針の例外として慎重に対応を検討」  だが、前出の350.org Japan やグリーンピース・ジャパンなどの環境NGO6団体は共同声明の中で、メガバンク3行の新方針を「小さな前進」としつつ、不十分だとしている。MUFGとみずほFGについては「新規の石炭火力発電は許されず、既存のものも廃止していく必要があるとのUNEP勧告に方針の中で触れていない」と指摘。  SMBCに対しては「日本のメガバンクとしては初の具体的な石炭火力発電の制限を明記」したことを評価しつつ、日本政府等の支援が確認できる場合は例外扱いとすることを「大きな抜け穴」と批判した。  また、メガバンク3行が、ベトナムのギソン2石炭火力発電への融資を決定しており、同発電所が、効率面で最上級のものではなく、同発電所への融資がOECD(経済協力開発機構)の公的輸出信用アレンジメントに反することも、環境NGO6団体は問題視している。  また、森林破壊に関しては、SMBCは新たな融資方針を6月18日に制定、石炭火力発電所、アブラヤシ農園開発および森林伐採を「環境や社会へ大きな影響を与える可能性が高い」事業とした。  この方針を前出のハイネケン氏は一定の評価はしつつ、「現時点でのSMBCの資金提供業務は新方針と大きなギャップがある」としている。「具体的事例として例をあげるなら、SMBCによるインドネシア最大手食品会社インドフード社および同社子会社への融資は、まさにESG(環境・社会・ガバナンス)リスクでしょう」と言う。 「SMBCのインドフード社への融資残高は、今年3月末の時点で350億円以上でした。インドフード社は、過去にパーム油のためのアブラヤシ農園開発で、数千ヘクタールの熱帯林や泥炭地を皆伐し、最近では児童労働や最低賃金以下の給与など20以上の現地労働法に違反したという問題があります」(同)
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