震災対応で問われる安倍政権の危機管理の意思と能力
野党は「災害よりもモリ・カケ」なのか
しかし、国会審議は、国会多数派である与党の同意がなければ、行うことができません。野党がいくら開催を求めても、開催の有無を決定するイニシアチブは、与党にあります。 実際には、政府に災害対応へ集中してもらうため、野党が開催延期を提案したにもかかわらず、与党が開催を主導しました。19日の朝日新聞朝刊によると「野党は大阪北部地震への政府対応を考慮し、自民党に審議の延期を申し入れたが、自民党側が予定通りの開催を決め、委員会が始まった」とのことです。立憲民主党の蓮舫参院幹事長は「震災復旧への影響を懸念して、代表の指示で国対委員長を通じ〈延期〉も含めて参議院自民党に提案しましたが、〈予定通り〉開会とのこと」とツイートしています。災害よりもモリ・カケ、ですか。
— 衆議院議員 長尾たかし (@takashinagao) 2018年6月18日
情けない・゜・(ノД`)・゜・。
今回の震災で多くの課題が見えたのですが、それよりも優先することがあるのですね。https://t.co/HFNgul75k4 https://t.co/HFNgul75k4
つまり、18日の参院決算委員会の開催は、与党主導によるものです。長尾議員は、自党の執行部を批判すべきです。あるいは、執行部批判のツイートだったのかも知れませんが、私にはそう読めなかったということになります。 あるいは、せっかくの審議なのだから、災害対応について質疑すべきと、長尾議員は野党議員に憤ったのかもしれません。 けれども、災害の真っ只中、国会で災害対応について質疑するのは、さらに問題です。国会で質疑を受けることになれば、少なくない担当官たちが国会に出席したり、答弁メモを作成したり、連絡業務に従事したりします。その分だけ、災害対応そのものに割ける人員が不足します。とりわけ、一定の判断を求められる幹部が、国会対応に忙殺されてしまいますので、行政の対応が遅くなりがちです。 むしろ、国会が開かれた以上、災害対応への影響を最小限にするには、災害と無関係の質疑をした方がいいくらいです。そういう意味で、18日の参院決算委員会に限っては「災害よりもモリ・カケ」の方が適切だったわけです。今日午後、総理と要求があれば全大臣が出席する参議院決算委員会が予定されていますが、震災復旧への影響を懸念して、代表の指示で国対委員長を通じ「延期」も含めて参議院自民党に提案しましたが、「予定通り」開会とのことです。質問予定の風間委員には震災関連の質疑を。 https://t.co/urKbNCX4hZ
— 蓮舫・立憲民主党 (@renho_sha) 2018年6月18日
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