あの展望台から富士山が消えた!――変化を遂げる浜松町、「陸・海・空の交通結節点」に

汐留・竹芝・浜松町の「観光回遊」にも期待

 浜松町駅周辺ではこのほかに、伊豆・小笠原方面へ向かうフェリーが発着する竹芝ふ頭・ゆりかもめ竹芝駅周辺での再開発も進みつつある。  そのうち、芝離宮そばのゆりかもめ竹芝駅前では、東急不動産と鹿島が2020年の開業を目指して高さ210メートルの複合超高層ビルとタワーマンションを建設する「(仮称)都市再生ステップアップ・プロジェクト(竹芝地区)」が進行中だ。建物の低層部には大型の緑化テラスを、高層部には展望ラウンジを設ける計画で、新たな観光・展望スポットとしても話題を呼びそうだ。  この再開発に合わせて竹芝ふ頭と竹芝駅、浜松町駅を結ぶ約1kmの歩行者デッキ(連絡通路)の新設も予定されており、浜松町駅の「海の玄関」としての役割や、湾岸観光の拠点としての魅力も大きく増すこととなる。  竹芝駅周辺では、このほかにも竹芝と汐留の中間地点にあたる浜離宮南側・劇団四季劇場の周辺でJR東日本が「(仮称)竹芝ウォーターフロント開発計画」を建設し、新たな劇団四季劇場やラグジュアリィホテルを進出させることが計画されており、一連の再開発の進展にともない汐留エリアからの観光客の回遊も増えるであろう。  大きく姿を変えようとしている浜松町駅周辺。長年親しまれた2つの個性的な超高層ビルの歴史は間もなく終わるものの、「陸・海・空の交通結節点」として、そして東京湾岸観光の南の玄関口としての新たな発展に期待したい。 <取材・文・撮影/若杉優貴(都市商業研究所)> 都市商業研究所 若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「@toshouken
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