あの展望台から富士山が消えた!――変化を遂げる浜松町、「陸・海・空の交通結節点」に

貿易センタービル再開発、「富士展望の名所」の終焉

 3つの大型再開発のうち最も規模が大きい、浜松町駅西側にある「世界貿易センタービルディング」とその周辺を再開発する「(仮称)浜松町駅前プロジェクト」(別名:浜松町二丁目4地区再開発)は、同ビルを解体するとともに、新たに5棟の大型ビルを建設するもの。  そのうち、現在世界貿易センタービルディングに隣接して建設されている建物は日本生命保険と大林組が主体となっておこなう「(仮称)浜松町駅前プロジェクトB街区」の「ニッセイ浜松町クレアタワー」で、高さは156m、29階建て。2018年夏の竣工を目指しており、おもに大型オフィスとして利用されるほか、下層階は商業施設となり、地下で大門駅と直結される。

ほぼ姿を現した「ニッセイ浜松町クレアタワー」(右側の高いビル)。奥に見えるのが世界貿易センタービルディング

 そして、このビルの完成後に本格化するのが「(仮称)浜松町駅前プロジェクトA街区」、つまり世界貿易センタービルディングの解体・建て替え工事だ。こちらの再開発は世界貿易センタービルディング、東京モノレール、東日本旅客鉄道(JR東日本)などが主体となっておこなうもの。工事は2017年中から一部で開始されているが、世界貿易センタービルディング本体の解体工事は2019年から開始される予定で、電波塔などを除くと日本国内で解体される建物としては最高層になるという。  先述したとおり、世界貿易センタービルディングのすぐ隣ではB街区「クレアタワー」の建設が進んでおり、西側の展望は大きく遮られている。「富士展望の名所」としての終焉は、ビルの歴史の終焉が近いことを印象づけるものとなった。  いずれの建物も主要用途はオフィスであるが、下層階には商機能やコンベンション施設が設けられるほか、A街区はJR浜松町駅に近く、交通結節点となる駅前広場「ステーションコア」が設けられる。  また、B街区の南側では「浜松町二丁目C地区市街地再開発事業」も進行中。こちらの建物には港区立の文化芸術ホールなどが入居する予定だ。
次のページ 
旧東芝ビルも大規模な再開発
1
2
3
4